病院編
私(長橋美香)にとって良いことがおきた日の話です・・・。
《中学一年生の夏休み》 「夏休みなのに毎日部活があるなんてやだねぇー」 「そうだねー。
少しは休ませて!って感じ!」
今の中学一年生はみんなこんな感じの会話ばかりしている。
毎日部活があるのが嫌らしい・・・。
私も表では嫌なフリをしているが、本当はそんなことまったく思っていない。
なぜなら、部活の先生(神山響也先生)に恋をしているから・・・。
いつも先生の事を見つめている・・・。 今も楽器を吹きながら先生の事を見つめている・・・・・・・・・・・・・・・ あれっ!?
目の前が回ってる!? 頭がフラフラする!? 何で!?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
気付いたら、私は病院のベッドの上にいた。
隣には私の片思い中の神山先生が、腕を組んで椅子に座って寝ている・・・!? 何で!?何で!!??!!??!!??!!??!! あー、頭がこんがらがってきた・・・。 「長橋!大丈夫か!?」 神山先生が私の顔を覗き込んで、心配そうに聞いてきた!?
先生の顔が近い! 「先生!な、何で私、こ、こんな所で、ね、寝てるんですか!?」わけが分からなくて言葉が詰まってる。
「覚えてないのか!?」 「はい・・・。何で先生の顔がそんなに心配そうなのかも分かりません。」 先生の顔が少し赤くなったような気がした。
「じゃあ、お前はどこまで記憶があるんだ・・・?」エッ、どこまでって先生を見つめてたとこまでだけどそんな事先生に言えない。
えーっと、あの時何してたっけ!?そうだ!思い出した!
「楽器吹いてて先生が教室に入って来た所まで。」
「そうか。それじゃあ、何でお前がここにいるか知ってるわけないか・・・・。じゃあ、簡単に話すぞ。 お前、倒れたんだ。」
えっ、うそっ!?何で!?驚きのあまり疑問が声にならなかった。
「でも、心配するな!命がどうとか、手術がどうとかそんな、大変な事じゃ無いらしいから。」 キャーーー!!
先生が微笑んで私の事を見ているーー!!!!!!!てっ、そんな事よりも・・
「私、病気なんですか?」たぶん、この時の私すごく不安な顔してたんだろうなぁ。
「病気じゃ無いよ。俺も詳しい事は聞いてないから原因とかは分からないけど。でも、病院の先生がたいしたことないって言ってたから。大丈夫!!」
なんか、先生の言葉がすごく嬉しいそれに、先生とこんなに話したの初めて。なんか、先生と2人だけで話してると思うと顔がニヤけてしまいそうだ。
もしかして顔がニヤけてるかも・・・。
「そうだ!!先生、今何時ですか?外暗いみたいですが・・・。」 カーテンの隙間から見るかぎり夜遅いのは確かだ。 「12時だよ。」 12時ーーーーーーー!?こんな時間に、お父さん以外の男の人と一緒にいたこと無い。
先生が初めてかも・・・。嬉しさで死にそー。 今度は絶対、顔がニヤけてる。
「先生、家に帰らなくても大丈夫ですか?」 「なんで?」 なんでって・・・。
でもなんか不思議そうにしてる先生の顔がカワイイ。
「奥さんとかが待ってないですか?」
「俺、結婚してないから奥さんなんていないよ。」 うそーーー!? 先生結婚してないんだ!?ビックリ!?!?・・・・・・・・・・・・・・・・
今、一瞬チャンスがあるかもとか考えちゃった・・・
「先生、結婚してないんですね!たしか、24才でしたよね?」 「そうだよ!よく覚えてたねー。実は俺に気があるとか?」 図星だ!?
私、顔に出やすいタイプだから先生に気付かれたかも知れない!
笑い声が聞こえた。
「冗談だよ!なんか、長橋ってからかうと面白い。」バレなかったらしい・・・よかったぁー。 最後の面白いはいい意味なのかな? 「からかうなんて先生ヒドイ!!」 私は、頬を膨らまして怒った。「すまん、すまん。」先生が笑って私を見てる!今なら死んでもいいかも。
「もう、からかわないで下さい。話は変わりますが私、長い間入院とかするんですか?」 だとしたら、部活行けなくて先生に逢えなくなるから嫌だ・・・。 絶対、嫌だ。 「入院なんてしないよ。明日の朝には家に帰れるよ」良かったぁー! 「俺がお前の家まで送ってやるから。」先生に送ってもらうー!?嬉しい!! 「でも、先生忙しいのに大変だからいいですよ。」 本当は送ってもらえるなんて2度と無いと思うから送ってもらいたいけど・・・
「もともと悪いのは俺だから・・・。」 えっ、何で先生が悪いの?どっちかと言うと先生と、たくさん話せて嬉しんだけど・・・。
「先生が何で、悪いんですか?」 先生の顔が悲しそうになった。
「俺が部活にきちんといてお前の体調が悪いのに早く気付けば、お前は病院に来る必要なかったんだから」先生すごく気にしてる。 「先生!!そんなこと気にしないでください。私がもし先生が原因で死んだら、気にするかも知れませんが。病院に来たくらいでクヨクヨしないで下さい。気にしてばかりいると私、逆に怒りますよ!」 言っちゃった・・・。 「分かった。でも、お前を家までは送らせろ。」
「じゃあ、お言葉に甘えて送ってもらいます。」 この後、私は眠いからと言ってすぐに寝た。 先生は多分、家に帰ったはず。 あんな夜は2度と過ごせないだろう。 一生の思い出になった一晩だった(私にとって)。 そうだ!私が倒れた理由は貧血(結構ヒドイ)だったんだって!!
一応連載にしましたが、皆さんからのコメントがなければ書きません。御了承願います。