プロローグ 大聖霊ドラフト会議
あの子が欲しい、あの子じゃわからん、相談しよう、そうしよう。
大聖霊ドラフト会議に飛び込むガーギロス、一体誰が彼に加護を与えるのだろうか?
「ふぅ、これで終わりかのう?今回は数が多くシビレたわい。」
そうつぶやいたのは30代半ばくらいの筋骨逞しい男性らしきもの。
らしいとは何故ならば身体のアチコチから火が噴き上がっており髪なんかまんま炎である。
そんな見た目の男?がそういって肩を鳴らす仕草をすると少年らしきものが
「アンディジジ臭いぜ、その仕草!見た目若いんだからもっと若くいこうよ~。」
と喋った。
ちなみに少年らしきということは彼も人ではない。
身体中に風がまとわりついて時々電流が走ってたりする。
そんな彼に
「御主に言われたくないわ、ジル!」
と怒り出す炎の男。
「まぁまぁ、そういきりたつなアンディロス。それにジルヴェルサス、貴殿も言葉をもう少し考えて喋れ。」
それを諌めるために声をかけたのは20代半ばか後半に見える美しき女性らしきもの。
彼女もまた人ではない、光が女性を形作った姿をしていた。
「これは失礼した。」
「は~い」
と返事を返す二人をいつもの事と傍観して見ていた闇に包まれた初老の男性らしいものが突然の来訪者に逸早く気がつき言葉を発した。
「おいネルフィ―ナ、まだ一人残ってたみたいだぞ、とびきりのやつが。」
その言葉に一斉に反応する5人。
「あらあら、どうしましょうかキュアンナ?」
と口では困ったように言ってるが顔は嬉しくて堪らないといった顔をしている10代を越えたばかり位な見た目の女性が見た目10を越えるかな位の幼女に話しかける。
その幼女はこう返した。
「大丈夫、ディアナスフィア。儀式を無視して勝手に入ってきたバカが、たまたま生きてこっちきただけだから。」
辛口である。
ちなみに女性は足は大地から生えたようになっており身体中に葉っぱに覆われた姿で幼女は水がまとわりついた姿をしている。
「ふむ、儀式を無視して入ってくるのは何年振りか?それも生きて我々の前に顔をだしたのは。」
とネルフィ―ナが言うと、
「ざっと300年振りじゃないかな~、ネル。」
とジルヴェルサスが答えた。
その言葉を聞き、思案する顔でネルフィ―ナが皆に
「さて、どうするか?」
と問いかけると、アンディロスが
「儀式を受けず飛び込むとは何という剛毅な者か!そいつはワシが加護を与えてやるぞ!!」
とガハハとわらいながら叫ぶと
「ずるいぞアンディ!そんな面白いヤツは僕も受け持ちたい!!」
と騒ぎ出す。
だがそんな二人に意外なものが口を挟んだ。
闇に包まれた男性、ヒューベリオである。
「悪いがそいつは私が担当のようだ、残念だったな。」
すると二人は
「それはどういうことだ、ヒューベリオッ!!」
「え~!どういう事、ヒュー爺」
と叫んだ。
するとヒューベリオはこう言った。
「そいつは闇のユニーククラスの条件をクリアした、つまり私の加護に強制的に決まったということだ。」
「ヌゥ、なら仕方ないな。」
「う~、残念だな~。」
その言葉を聞き酷くガッカリする二人。
「諦めろ、ルールだ。」
「二人とも落ち込まないで、また次があるよ。」
「やっと静かになった。」
女性陣はそれぞれ別の言葉を発し、ヒューベリオは気にもせず違う事を考える。
「さて、先ずは我が加護に入った訳だが、このユニーククラスはなったと同時に人生を左右する特典を受ける訳だが、このクラスは確か無作為に特典を選び与える仕様になっていたな。」
そういうと彼の前にスロットが顕れる。
そのレバーをおもむろに彼は引いた。
そうすると他のもの達もそのスロット画面に集中する。
その後の結果は一人は喜び叫び一人は泣き叫ぶ事になるのだが、レバーを引いた本人は何も気にせず特典を付与して聖別の扉(出口)に少年を送り出した。
一人は闇のヒューベリオに決まったみたいです。
ユニーククラスの説明はまた次回以降に。
特典は何になったんでしょうね。