Where is this?
「ここはどこだろう?」
思いついたのはその一文だけ。
そこからこんな風な物が出来てしまいました。
いわば「偶然の産物」です。
ここはどこだろう。
冷たい石の上に、僕は転がっていた。
昨日は、何の変哲もない自分の部屋のベッドで寝たはずなのに。
体がきしむように痛む。
……なぜ、こんなところにいるのだろう。
ひとまず、昨日あったことを思い出してみることにする。
とは言っても、僕にとっての"昨日"が本当に"昨日"なのかは、定かでないが。
―――思い出してはみたものの、変わったところは一切なかった。
平々凡々な日常そのものだ。
では、なぜここにいるのだろう。
もしかして、今までの日常は、ここで見ていた夢だったのだろうか。
突拍子もない考えだが、そうでも考えないとこの状況の説明がつかない。
仮にそうだとして、僕は今どんな状況におかれているのだろうか。
攫われたのか?
罪を犯したのか?
いずれにせよ、あまり良い状況であるとは言い難い。
今の僕は何歳なのだろう。顔を見るための鏡がないのでわからない。
両親はいるのだろか?
そもそも、"僕は僕なのか?"
いや、そんな哲学的な疑問よりも、まず。
ここはどこだろう。
冷たく殺風景な石と、僕だけが存在しているこの空間。
闇も光もない、この空間。
ここはどこだろう。