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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

実録。サラリーマンのマッチングアプリ日誌②

作者: キング

今回のお相手は、23歳の看護師さん。

マッチングしてから1週間ほど、順調にやりとりを続けた結果、みなとみらいで会うことに決定。

前日の電話では会話も弾み、期待値はやや高めだ。


ー当日ー

「18時に改札前で待ち合わせでいいですか?」

俺は仕事を切り上げるタイミングで待ち合わせ場所を提案。


時刻は17時半。

そろそろ準備をしようと思っていると、携帯が振動する。


「わかりました!」

返信は短文ながらも明るい雰囲気だ。


17時50分。早めに到着してトイレで身支度を整える。鏡の前でネクタイを軽く直し、身だしなみに抜かりがないことを確認する。

18時ちょうど、通知が鳴る。


「1本遅れるので7分ごろ着きます!」


ここで少し気になるポイントが発生した。

社会人としての時間感覚に若干の甘さを感じる。


18時7分。


「初めまして~!」

笑顔で駆け寄ってきた彼女に、わずかに不機嫌だった気持ちが緩む。訳はない。


「いえいえ、大丈夫ですよ。じゃあ行きましょうか」


会話も自然で、悪いスタートではないがこちらの心象的にはマイナス1といったところ。


ーカフェでの会話ー

「いらっしゃいませ~」

思ったより空いている店内に入り、席を確保する。


「何飲む?俺出すよ」

「いいんですか?じゃあ、これにします!」


彼女が選んだのはカフェラテ。やや控えめなオーダーに好感を覚えつつ、会話の準備を始める。


「そういえば、なんで看護師になったの?」

「母が看護師で、それに憧れてですね~!」


明るい声で話す彼女の姿は、仕事への情熱と誠実さを感じさせる。


「素敵な理由だね。実際やってみてどう?」

「想像以上に大変ですけど、やりがいはあります!」


彼女の言葉からは誠実なプロ意識が伝わる。


「夜勤とかも大変そうだよね」

「慣れましたけど、やっぱり疲れますね~」


話を聞きながら、看護師という職業に対するリスペクトが高まった。


ここで核心の質問

「元カレとは、どうして別れたの?」


少し躊躇しながらも正直に答えてくれた彼女。


「振られました。理由は…あんまり言われてないんです」


「そっか…。別れの理由って、言えないこともあるよね」


恐らく本人に言えない理由で別れたのだろう。つまりいっても治らない強烈な爆弾を抱えている可能性が高い。


ー散歩の提案ー

カフェを出たあと、解散の流れかと思いきや、彼女から思いがけない提案が。


「よかったら、少し散歩しませんか?」


このひとことは予想外で、彼女がこの時間を楽しんでいる証拠にも思えた。


「いいですね!じゃあちょっと歩きましょうか」


ー散歩中の会話ー

歩きながら、彼女がぽつりと言った。


「スーツってかっこいいですね。普段、病院だと白衣しか見ないから、新鮮です」


「ありがとう!病院で頑張る人からしたら、俺なんて普通のサラリーマンですよ」


自然と笑顔がこぼれる会話が続き、気づけば30分が経過していた。


ー帰り道ー


今回の出会いは、正直悪かった。

遅刻や元カレの件で引っかかる部分もあるが、本日のデートのクオリティは悪くなかった。


次の誘いを考える余地は無いなと確信し、俺は電車に乗り込んだ。


結婚を見据えたマッチング探しはまだまだ続く。

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