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**第七章: 明日香の告白**

透が自分の秘密を打ち明けたその翌日から、二人の距離はさらに縮まっていった。透は不思議な感覚に包まれていた。これまで自分の能力のせいで、誰とも深く関わらないようにしてきたが、明日香はその秘密を知っても距離を置くどころか、むしろ以前よりも透に対して心を開いてくれているようだった。彼女と過ごす時間が増えるにつれ、透はいつの間にか彼女のことばかり考えるようになっていた。


ある日、放課後の帰り道、二人はいつものように一緒に歩いていた。薄暗くなりかけた空の下、透はふと明日香に聞いてみた。


「橘さん、俺の秘密を聞いても、怖くなかったの?」


明日香は少し考えるように視線を空に向けた後、穏やかな笑顔を浮かべて答えた。


「ううん、全然怖くなかったよ。むしろ、少し羨ましいくらい。」


「羨ましい?」透はその答えに驚いた。「どうして?」


明日香はしばらく沈黙していた。何かを決意するかのように深呼吸をし、ゆっくりと語り始めた。


「私ね、実は…自分でも昔から分かっていたんだ。自分には、あまり時間が残されていないって。」


その言葉に、透は一瞬言葉を失った。彼女が自分の寿命について知っていたとは、想像もしていなかった。


「いつから分かってたの?」透は声を絞り出すようにして尋ねた。


「はっきりと自覚したのは、去年の夏くらいかな。でも、子供の頃から漠然と感じていたんだ。私の人生はきっと普通の人よりも短いんだろうなって。」


明日香の言葉は静かで、透を見つめる目もどこか穏やかだった。彼女はずっと、その事実を受け入れて生きてきたのだ。その強さに、透は言葉を失い、胸が締め付けられるような感覚に襲われた。


「それでもね、最近は少し変わったの。桐島くんと話すようになってから、初めて『今』を楽しもうって思えたんだ。寿命なんて考えずに、生きている瞬間を大切にしたいって。」


明日香は微笑んでそう言ったが、その笑顔の奥には、透には計り知れない重さが隠されているようだった。透は彼女に何も言えなかった。彼女がこんなにも前向きに、自分の短い時間を受け入れていることに、ただ圧倒されるばかりだった。

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