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ダブルクロス キャンペーンリプレイ:レネゲイドウォー  作者: 御巫咲絢
2nd Episode「Blastic Crisis」
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○エンディングフェイズ~PC3~

GM:事件から数日後の霧島電気店って感じで良いかな?

リカルド:あの後、考え込むようにして、引きこもってしまったらしく。店にはずーっと、

戒斗 (リカルド):こっちが立ってます。店長(兄)。

GM:ではそんな霧島電気店に1人訪れる人影がおります。



――事件から数日後。ジェイミーはリカルドもとい龍矢を訪ねて霧島電気店の扉をがら、と開ける。



戒斗:「お、いらさーい……って、龍矢の後輩さんじゃねーか、その後大丈夫?」1ヒーローとしては色んな事情は把握しております故。

ジェイミー(GM):「はい、私は大丈夫です。……あの、龍矢先輩、いらっしゃいますか?」

戒斗:「いるいる。むしろちょっと怒ってやって欲しい。奥のほーであの日以来ずーっと考え込んでてさ、修理は俺がやってるからいいんだけど、身体よりもなによりもメンタルが死んでる?っていうか」

ジェイミー:「そう、ですか……。あの日の先輩、いつもと様子が随分違ってたから、心配だったんです」

戒斗:「んー……あんま店先で話すことでもないんだけど。彼奴からだと絶対喋らないし」すこし考えて「……原因、聞く?」

ジェイミー:「何となく察しはつきますけど、一応」

戒斗:「んー、その。俺ら兄弟。ちょっとした事情から全員オーヴァードになっちまった連中なんだがさ。

 ……あいつ、その時のこと、未だに覚えてるみたいで『何も出来ない』『何も出来なかった』ことに過剰に反応しちまうんだよ。特に身内――親しい知り合いのことだと、特に、さ」

ジェイミー:「……そう、だったんですね……」

戒斗:「だからだと思う。『助けられなかった』『止められなかった』って。ずーっと後悔してて。それが原因で店の奥でずっと湿気を高めてるよ、キノコみたいに」

 半分茶化すような物言いだけど、うじうじしてるってのは分かる感じ。「で、なんで怒ってほしいかって言ったかって言うと………なんか、うん」


「本当に何かしてなかったら今後輩ちゃんも此処にいなかったかもしれないだろ?」


戒斗:「そのこと忘れて考え込んじまってるみてーで。……『俺じゃどうしようもないから』って理由かな」

ジェイミー:「なるほど……ちゃんと叱れるかは自信ないですけど、会わせていただけますか?」

戒斗:「いいよいいよ。どうせ俺が店見てるから。万が一なんかあっても、表にヒーロー立ってるから大丈夫だろ?」ははは、と軽く言う人が其処にはいた。



こうして託されたジェイミーが戒斗の案内で店の奥へ向かうと、酷く傷まみれの龍矢が一人で考え込んでいた。

身体のあちこちに包帯や絆創膏がついているその姿はジェイミーが普段知っている先輩の姿とは程遠く。そっと覗き込むように部屋に上がる。


「先輩……?」

「………ああ、ごめん。カイトが、一人にはどうしてもさせられない って言われて こんな感じだよ」


いつものように語りかけているように見えるが、声は優しく聞こえるがそれよりも病人と喋っているように思える程の覇気のなさ。

少し離れた場所には救急箱が置いてあったり凍りついた名残があったり等、決して平穏とは言えぬ痕跡がちらほらと残っている。

そしてジェイミーが見た限り、先の戦いの直後にはついていなかった傷もたくさん彼の身体に刻まれていた。


「……自分が、役に立てないって。立てなかったって。思い込むと――自分が、とてつもなく、『いらなく』思えてくるんだ」


リカルド・アーヴェント――もとい、霧島龍矢の衝動は『自傷』である。

自責の感情にレネゲイドが引きずられ、今までずっと自らを罰するかのように自傷を繰り返してきたのだとジェイミーが察するのは難しくなかった。


「お兄さんから話は聞かせていただきました。先輩はそれがトラウマだったんですね……」

「……人工ヒーロー計画よりも、もっとおぞましいことが、あったから、さ……俺は兄弟の中でも戦う力を全く持たなかったから。

 だから助けを待ってるだけだったことから、逃げたかったのかもしれない。乗り越えた、つもりだったけど。……俺は、また『役に立たなかった』、んだ」


後輩に語る彼の頭からはすっかり一つの事実が抜け落ちている。

そしてその事実が残っているという何よりの証拠であるジェイミー本人を前にそう語ったなら、当然彼女は違うと声を上げるのだ。


「……役に立たなかったなんて言わないでください、先輩」

「でも、」

「先輩が私のことを見つけて、助けてくれなかったら、私は……今頃この世に居なかったかもしれないんです」

「…………」


最初はついて出ようとした言葉をそのまま返すつもりだったリカルドは、その言葉を受けて黙り込む。

ブラスターとダークナイト。堕ちてしまった二人のヒーロー。自分が『役に立たなかった』せいであの二人は闇に沈んでしまった、それは事実。

だが――


自分が、動かなければ、もっと、それ以上の、大事な人を、喪ったかもしれない、のだと。


全く"視えていなかった"視点、否"視えていたが忘れてしまっていた"視点が再び目についた。


「確かに今回のMr.コバルトの計画では、大きな物を失いました……でも、守れたものもあるんです……。だから、自分を追い詰めないで欲しいんです」

「……それでも、か? 俺が零してしまったことが、とても重大なことだとしても、か?」

「それでも、です。全てを掬い上げる事なんて、人間の手には余る事でしょう?」


もちろん、兄が亡くなった事が悲しくないと言えば嘘になりますけど――と言いながらもジェイミーは微笑んで言葉をかける。


「……そうだな」



そう、人間の手に余ることだからこそ、きっと、『あの人』は堕ちたのだろう。

人間でなくなれば、そうならないかもしれないから。


でも、俺は、


「……俺も、あの人のように、人であることを止めてまで、救うことは ……出来ないな。

 たぶん、だけど、さ。役に立たないかもしれない、人間でも、人間のままで進んでいいなら……


 俺も、俺たちも、やるべきことをしなければ」


外がどんなに日が差していようが、あの日、確実に世界は夜に堕ちたのだから。



ジェイミー:「そうですね!引きこもってる場合じゃないんじゃないんですか?」

リカルド:「……夜明けを、迎えにいかなきゃ、いけないかもな。……超えるまでが、大変だけれど」

ジェイミー:「……(ダークナイト……彼を、超えなければ、夜明けは来ない、か)私は、ペンでヒーローを鼓舞するくらいしかできないけれど……お互い、やれることをやっていきましょう?」

リカルド:「……そうだな」

ジェイミー:「あ、そうだ先輩、これお土産です。よかったらどうぞ」八天堂って書かれたでけえ紙袋を差し出します。

リカルド:「……」あ、これ完全にうちの兄弟分あるなって顔をした先輩。「まずはその……前に、もう一人、なんとかしなければいけない気もするけど、な」

ジェイミー:「……もう一人?」三者三様で満身創痍だった他のヒーローたちを思い出しつつ。

リカルド:「……霜月雫。女も、たぶん。俺と似たような手合だよ。……俺よりも深刻かもな」

ジェイミー:「彼女も、ですか……お見舞いに行くんですか?」

リカルド:こんな感じでいいかなぁ、いったん。

GM:ではいったんシーン切ろうか。

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