○クライマックスフェイズ 1/3
GM:さーてクライマックスだよ!!
シズク:ひい……!
日明:ついにきたかクライマックス!
リカルド:きたぞきたぞクライマックス!
勇己:いよいよ決着か…!?
GM:さぁ全員出てこーい!
日明:(振る)10。侵蝕率93→103。おいテンション上がりきってんなお前!?
リカルド:(振る)5。侵蝕率107→112。まま、許容ライン。
勇己:(振る)10。侵蝕率79→89。
GM:みんな盛り上がってる。
シズク:(振る)1。侵蝕率79→80。くーる。
日明:100%超えるのは予想外……うーむ《リザレクト》ができないのは痛いぞ。
シズク:最高の くぅるをお目に 入れましょう。
リカルド:いさみんいるからなんとかなるのではなかろーか。このメンツ意外と移動しないから……
GM:ではでは。
――池袋の高層ビル、その屋上にて。
Mr.コバルト、ブリッツキャット、バトルマシン……3人のヴィランがヒーローたちを待ち受けていた。
その背後にはどこからか持ち込んだのか、巨大なレネゲイド活性剤散布機が佇んでいる。
Mr.コバルト(GM):「ケッケッケ、パラディンさえいなくなりゃあ、ヒーローなんざ烏合の衆さ。お前らはこいつで都民がジャーム化するのを黙ってみてりゃ良いんだよぉ!」
勇己:「くっ……だが、そっちこそ"同盟"の割には随分寂しい人数だな!」
シズク:「統率性がなく、既に勝手な行動に走ってるヤツもいる…烏合の衆はどっちかな?」
日明:「ええ、その言葉そっくりそのままそちらにお返しします」
GM:ほんとそれだよな。
容赦なきヒーロー陣営のマジレスツッコミ。
リカルド:「そもそも彼も複数に分身して全てを警護してるわけではなかろうに。1人が居なくなれば全てが片付く……などと、夢を見ているとは図体だけ成長したままか?」
Mr.コバルト:「ケッ、言うじゃねえか。だがここでテメェらを叩き潰せば同じことよ!」
日明:「僕は何度もお前とやりあっていますが……こうも舐めてかかられるのは流石に苛立ちますね。確かにパラディン程の実力があるワケではないですけれど……
僕はお前たちヴィランを"殺す"ことに関してだけは他のヒーローに負けない自負がある。言葉を撤回するなら今のうちだが?」
Mr.コバルト:「おっと、オルトロス、テメェがいたな。なに、今の俺には秘策があるんでね」
ブリッツキャット(GM):「コバルト~、前口上はいいから早くヤッちゃおうよ」
バトルマシン(GM):「グオオオオオオオ……」
GM:あ、シズクちゃん、このへんでバトルマシンへの説得ロールをお願いしていいですか?
シズク:はーい!
「……今度こそ、斬らせてもらうよ。未練せず、さぱと死んでくれると嬉しいな」
刀の柄に手をかけ、そのまま鞘から抜こうとして……手を離す。
その手を握りしめてわなわなと震わせながら、感情のままに叫ぶ。
「……それとも。武人としての誇りが残っているのなら、その拳にまだ誇りが少しでも宿っているのなら――
――いい加減目を覚ませッ!!!貴方の拳は、そんな穢れたモノじゃなかったでしょ!?貴方に武を教えた師の、貴方に学んだ門人の、貴方と稽古した私の……
そして霜月の武を学び、修めた貴方自身の気持ちを思い出せ!霜月流空拳術師範代黒須真!!!」
正気無きバトルマシンと化した兄弟子。彼が一度だけでも、たった一瞬だけでも、正気を取り戻してくれることを願って、叫ぶ。
GM:ではでは、めっちゃかっこよくて確定成功にしたい気分なんですけどこのへんで交渉のダイスをお願いします。(無慈悲)
シズク:ん~~~~!!!(振る)2。
GM:ギャー!!
シズク:えぇ……(困惑)
日明:おおう……
勇己:すごいダイス目だ……
GM:ファンブル寸前やないかい。
リカルド:しっかたないなぁ、《勝利の女神》Lv4を授けよう。
シズク:ファッ!?
日明:おっ早速きたな《勝利の女神》、やったねシズクちゃん!
シズク:ゴリ・プッシュだ!
リカルド:あそこまでやってくれたんだ。+12でどうぞ。たぶんたりるよね?
GM:難易度5なので余裕ですね!
リカルド:ハヌマーンは音を届かせるスペシャリストなのである。
シズク:5すら成功しなかった私ェ……
日明:いやホント、ダイスの女神様が超いじわるしたね……
ダイスの女神に慈悲はなかった。
Mr.コバルト:「ケッケッケ、そいつはもう衝動に任せて暴れるだけのジャームだ!そんな声届きはしねえよ!」
シズク:「ぐっ…私の声じゃ、届かないの…!?(やっぱりっ……斬るしかっ……!)」
リカルド:「なぁに。……届くさ」
シズク:「……え?」
リカルド:「アイドルは、声を届けるのが、仕事だろう?」
シズク:「そ、それは、そうだけど……」
バトルマシン:「……」
リカルド:「スペシャリストが、それを出来ないと、思い込んで、どうする。なおさら」
「……お前の一番のファンの前で、それを」
「……」
リカルドの言葉が、シズクの心を揺り動かす。
そう、アイドルは声を届けるのが仕事、声を、音を届かせるスペシャリスト。
「そう……ですね」
大事な人に届けられないと思い込んで、できるものではない。シズクの口は再び開く。
『おお、アーシュライト その輝きは何よりも美しく
その輝きは何よりも尊きもの
最果てに見るその輝きは 何物にも代えられず 何者にも届かない
――それはただの過ちで その輝きは傍にある
おお、Earthlight もっとも確かなる恵みよ
おお、Earthlight もっとも近き輝きよ
そう、最果てを見る必要なんてありはしない
――大切なものは、いつも私のそばにある』
最初期の、物語性の強い曲を歌っていた時の曲『Earthlight』。
悩んでいたころ、どうしたらいいだろうと相談した時、歌ってみろと言って歌って見せた曲。
少女は最も綺麗な輝き「アーシュライト」を求めて旅をする。星のきらめきを求めて山をも登る。
だけど、手に入らず、疲れ果てて倒れた時。その大事が、我々を支える「地球」こそが美しき宝石だったと知る。そんな物語……
届け、想い出。
「――思い出して。いいじゃないかって笑ってくれた曲だよ。
武人として声が届かなくても…貴方が背中を押してくれたアイドルの私が歌って届けるよ。
だから――戻ってきて」
バトルマシン:「………の、コエ……と、ウタ…………シズ、ク?」
シズク:「私が、わかるの!?」
バトルマシン:「……ア、アァ………」
シズク:「じゃあ…戻ってきて!私は、私は……またあの日のように、一緒に笑って稽古がしたいッ!!!」
バトルマシン:「……最期二、ソレヲ……聴けた、なら、思い残す、ことは、ナイ……」
シズク:「そんな…やめてよ。せっかく、せっかく意識が戻ったのに!意地を見せてよ!戻ってきてよ…!」
リカルド:「すまん。……彼をこれ以上縋りつかせてば、『彼が、彼でなくなる』」
シズク:「ッ……!そう、だけど……」
GM:バトルマシンの《不滅の妄執》が昇華されました。もう戻れないということがわかっているのでしょう、
バトルマシン……いや、黒須真は、サイバーアームと化した腕を己の胸に突きたてようと――
シズク:「……待ってッ!――斬る。私が。この凍月で。最後を、一緒に背負わせて」
リカルド:「……ならば。行ってくれ。あの糞ほどにも足りぬ邪魔な蝿の羽音などこれ以上、お前達には不要だろう?」バイザーを構え直す。
Mr.コバルト:「おっとぉ、そうは問屋がおろさねぇぜ?」
GM:ぶすり。バトルマシンの装甲の僅かに露出した首筋に、注射針が突きたてられます。
シズク:「ッ!」
Mr.コバルト:「ハッハッハァ!!追加のレネゲイド活性剤だァ!いい気分だろ、バトルマシン!!」
バトルマシン:「……ッ……ア……ぐ、グオアアアアアアアア!!」
日明:「……貴様、どこまで人の尊厳を――武人の誇りを踏み躙れば気が済むんだ……!」
Mr.コバルト:「ヘッヘッヘ、武人のプライドぉ?んなもん一銭の価値にもならねぇもん、大事にしてんのか?」
勇己:「コバルト……お前、ッ」憤怒の表情を浮かべる。
シズク:「――――よくも……よくも、真さんの最後の矜持まで、踏みにじってくれたね……!絶ッッ対に許さない!全員纏めて斬り捨ててやる!」
日明:「……人を人とも思わぬ行為の数々。最早貴様には終身刑すら生温い!!」
Mr.コバルト:「それとな、お前らに良い事を教えてやる。レネゲイド活性剤にはこういう使い方もあるんだぜ……」
GM:そう言うと注射器を取り出し、自分に打ちます。
Mr.コバルト:「ヒヒヒッ、力があふれて来るぜ……!!」
ブリッツキャット:「アハハハッ、みーんな止まって見えるヨ!!」
リカルド:構える。そのバイザーの下からは。鋭く。苛烈な、嵐のような眼光。
「―――行きなさい。我が身がある限り、風は導へとなり、波濤となり、汝らを支えるであろう。―――我が名は、『絶風を視る者』。
只人の一陣の風など、意味が無いことを知れ」※このリカルドの台詞は流暢な英語で発言されています。
GM:そしてレネゲイド活性剤の影響で周囲にレネゲイドのオーラが発散されます。衝動判定のお時間よ!難易度9!
シズク:これめっちゃ失敗しそう()
日明:(振る)16。
勇己:(振る)8。くっ、足りない!侵蝕率は11上昇。
シズク:(振る)13。思ったより意志が固かった。侵蝕率は10上昇。
リカルド:(振る)28。
GM:リカルドさん硬すぎw
リカルド:この男の意志を貫けると思うてかその程度で。(振る)侵蝕率は12上昇。ぎゃー、まあ何とかしよう。
日明:侵蝕率は6上昇。お前登場ダイスと出目交換しろよ!!!!!
GM:草。
――どくん。各々のレネゲイドがが強く、強く刺激される。
それぞれが、己が衝動との戦いを強いられる。
今まで出会った事が無い程純粋で強大な"悪"を目の前にして、怒りと、それ以上の焦りがワンスモアの脳内に膨らんでゆく。
もしコイツに負ければ、きっと沢山の人が死んでしまうのだろう。そんな恐ろしい事は、絶対に止めなくては。
――例え、刺し違えることになろうとも!
"さ、やろうよ"
一方、オルトロスの脳内では少年の笑い声が反響し始める。
目の前に現れた血で染まった自分の幻影が、あどけない笑顔を浮かべて、腐りきった手を差し伸べていた。
「断る」
"何で?"
「そんな時間はない」
一つ咳をすれば口の中に広がる、鉄の味。
口元から溢れる紅い雫を拭って、衝動の自分を切り捨てるかのように、言い聞かせるように叫んだ。
「——"お前"の趣味に付き合うような時間などあるワケがない!Mr.コバルト!貴様だけは僕がこの手で討つ!!」




