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夏の日の久しい宴会

作者: 豊田怜

僕が高校の頃のお盆

本家に親戚と関係者一同が集まり宴会を開いていた

勿論小さい子供も居たので

大人達がわいわいやってる時別室で3人くらいの子供

年齢は3~5だったかな

そいつらの世話をしていた

別室と言ってもほぼ隣なのでどんちゃんしてるしおもちゃも沢山あるし食べ物は大人達が持ってきてくれてたから割と楽に子供たちのお世話が出来ていた


そんな時

世話をしてると突然1人の男の子が言った

「おじいちゃんもこっちおいで」


誰か様子見に来たか?と振り返ると誰も居ない

誰も居ないと言うか他のふたりも何も無い空間に「こんにちは」とか「あそぼ」とか言ってる

そこで僕は悟った


ガチの方やん


すぐに子供たちを連れて大人達の所へ


僕は誰も居ない空間に挨拶してた子の親に聞いた


「歴代当主の写真どこ?」


何故かと聞かれたので


「子供たちには何かが見えてるようだけど、もし歴代当主じゃなかったらやばいから」


と伝える


「あーお盆休みだもんねぇ」

と言いながら写真が並んでる部屋に案内してくれた


部屋につくと、沢山の写真がならんでいる

僕は写真の前に子供を抱き抱え


「どのおじいちゃんだった?」


と聞いた


「これ!!!」


と元気よく指をさした写真は

僕のひいひいおじいちゃんにあたる人だ


僕の名前はその人から取られておりまた、僕の誕生日とそのおじいちゃんの命日が同じだった

顔も似てた事から生まれた頃は生まれ変わりだと言われてたらしい

正直めちゃくちゃドキッとした


子供を降ろして


「おじいちゃん何か言ってた?」


と聞いたら何も言ってないと言う


「どんな顔してる?怒ってる?笑ってる?」


と聞いたら悲しい顔と言う


悲しい顔?それはまずいなぁと思い宴会場に戻って当時、当主をしてたおばあさんに聞いた


「○○さん(子供たちが見たおじいちゃん)悲しそうな顔してこっち見てるらしいけどどうすりゃいい」


当主は答えた

「ああ、酒が飲みたいんだろう。酒好きだからな」


そう言うと立ち上がり台所からおじいちゃんが生前酒を飲むのに使ってた焼き物のコップを持ってきた

そして宴会場のテーブルを1箇所開け

そこにオードブルや寿司の皿をおき

一升瓶の焼酎をコップも並べた

そして僕に


「酒をついでやれ。たいそう喜ぶ。あぁ、氷を入れてな」


と言ってまた戻った

僕は言われるがまま氷をコップに入れ酒をついだ

これでいいのかなと思ってると突然箸置きに置いていた箸がコロンと落ちた

怒ってる?と思って子供たちを呼んだ


「おじいちゃん、いる?」


「いる」


「怒ってる?」


すると子供が首を横に振って


「楽しい楽しいしてる!」


よかった。喜んでた


その後また子供たちの世話をして夜になり僕も帰ることに


帰り際ふと気になりおじいちゃんの写真を見に行くと

心無しか笑ってるように見えた

と言うか明らかに朝より笑ってた


皆でお酒飲みたくて出てきたんだろうなぁ

子供は見えてるんだなぁ


そんなお話

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