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巨人の争い

次の日の早朝、いつもより早く起きた俺は着替えてから階段を下りてリビングのテレビをつけた。

 いつもは昼まで寝ている母さんも珍しく起きていて、何気なくテレビを眺める。

 

 『今朝六時十五分未明に東京湾に現れた三体の巨人は依然動きはありません』


 『これは一体何なのでしょうか? 昨日の未確認物体と何か関係があるのでしょうか、教授』


 『詳しくは分かりませんが、CGやトリックの類でないことは確かです』


 『では、この巨人達の正体は何と推測されるのでしょうか?』


 『正直に言いまして断言は出来ません。ただこの三種の巨人は全く違う技術で作られている可能性が高いという事です』


 『どのような違いなのでしょうか?』


 『まず、一体目ですが岩石に酷使した体を持つ石の巨人は内部に高熱を機械で感知しましたが、もう一体の機械でできたように見える機械の巨人には石の巨人のような高熱は感知されていません。代わりに強い電磁気が感知されました。最後の液体の巨人に至っては熱も電磁気どころか我々の計器では何も感知しておりません』


 『三体目の巨人には何も感知できなかったそうですが、そのようなことがあり得るのでしょうか?』


 『通常はありえません。二体の巨人が機械に分類されるものであると過程するならば、感知された熱や電磁気は動力源や電子機器などと推測されるはずですが。しかし、三体目の巨人は異質なのです。まるでなにか大きな力で水が巨人の形に硬め作られたような存在です。三体目の巨人の体を構成する物は海水である事が分かりましたが何故巨人の形をとっているのかは分かりません』


 「くぅ~今週はなんてラッキーデー満載なの! 私行ってくる!」


 「ちょっと待って! 考えてみなよ。こんな大事件なら辺り一帯封鎖されてて近くで見れないって」


 「確かに! でもでも!」


 「とりあえず、三人に聞いてからでも遅くはないと思うけど?」


 「確かにそうね! きっと未来の娘たちなら面白く盛り上げてくれそうね!」


 「分かったわかったから」


 鼻息を荒げる母さんをなだめ。

 携帯に電話をかけたが、


 「あれ? 三人ともでない……」


 「スグルテレビ! テレビ!」


 「今はそんなのは――」


 「いいから、テレビに映ってるから!」


 その言葉にテレビの方に向き直った。


 『東京湾に出現した三体の巨人ですが、進展がありました。巨人の肩を見てください! 先ほどには存在しなかったはずの何者かが乗っています!』


 『ヘリから見る服装は学生服のように見えます! しかし顔はヘルメットによって隠されています! 何者なのでしょうか?』


 映像に映った三人は一目で彼女達とわかった。

 見覚えのある改造制服に黒ローブ、昨日見たフルフェイスヘルメットから合間からはみ出る白髪。

 真名とレナもそれぞれ異なったヘルメットをかぶり顔を隠している。

 

 三人ともなにやってんだ?

 意味が分からずテレビを凝視する。

 それに合わせたかのように、三体の異なった巨人が正面向いて歩み寄り、


 『石の巨人が機械の巨人に向かって腕部を振り上げ腕部を衝突しました! 皆さん聞こえるでしょうか? この轟音が! 繰り返しますこれは映画の撮影でもでもCGでもありません!』


 興奮する現場のリポーターを後目に巨人たちはお互いに腕部を振り上げ、殴り合う。

 金属に硬い物が当たったような轟音。

 大きな音がしないのは水の巨人だけだが、受けた攻撃は体を貫通するが腕が引き抜かれるとその穴はすぐに水でふさがった。

 そのようすは怪獣映画さながらで、とても非常識で普通なら現実などとは思わないだろう。

 だが、三人の素性をしる俺たちはこれが現実だと理解せざる負えない。


 「すごい! 怪獣映画みたい! 三人がなんでこんな派手に争っているかは後でいいとして、スグル準備しなさい。三人を止められるは貴方だけよ! 某格闘ロボットアニメの最終話の様にネ〇〇ャパンコ○○ーじゃなかった。日本をあなたの愛で救うのよ!」


 母さんそりゃ無茶ぶりが過ぎるってもんだよ!


 「何をいっているの! 愛は世界を救うのよ! あの作品ように愛の力の必殺拳を放つのよ!」


 でも、そのアニメの主人公の師匠は自身のキャラソンで愛で世界が救えると救いきれない略いったような。


 「まぁいいから準備しなさい! フラグはビンビンなんだから!」


 ピンポーン

 チャイムが図ったようになった。

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