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田嶋菖蒲―タジマ アヤメ―
この作品に掲げるテーマは、
「つねに動き続ける日常の中で変わらないもの、とはなにか」ですね。
人の心とは移ろうものですが、今まさに隣に居る大切な人を、私たちは気持ち一つで簡単に愛せるし、傷つけることもできてしまう。
でもその気持ちが変わる瞬間というのは、日々の積み重ねや相手のたった一言で、突然だったり、徐々にだったりと様々です。
大切な人をずっと大切にできるという保障は、だれも持っておりません。
もしも、大切な人が大切ではなくなったら。
きっと私は、自分を保つことが出来ないくらいに、声を荒げて泣くだろうし、人を嫌ってしまうだろう。
そう考えることが、今はとても怖い。
今まで一緒に過ごしてきた人たちとの時間を、永遠に、色あせずに保存しておける保障なんて、私にはないと思っているから。
きっとこの世界のどこを探したって見つからないとさえ思う。
あなたは、どうだろうか。
あなたが想う大切な人は、これからもずっとあなたのそばに居てくれるでしょうか?
そう、直接本人にお願いするのも、悪くないけれども...。