『異世界人』シエラの日本デビュー(平日編) 1
「お兄ちゃーん!学校行く時間だよー」
ん・・・時計は4月21日(金)7時30分を指している。いつもよりちょっと遅いか。宿題は・・・やってるな。これで朝から登校後すぐに宿題に追われなくて済みそうだ。あとは…
「香奈ちゃんが呼んでるじゃない。早く来なさいよ」
・・・・・・この金髪エルフが我が家に来たんだった。
「分かってるって。制服に着替えてから行くから」
「ん? あなた今から訓練に行くの」
「は?」
「制服って軍隊のでしょ?」
「この国に軍隊は・・・ねぇよ」
自衛隊は・・・あれ軍隊じゃねぇよな?
「この国に軍隊がないって…馬鹿なの?攻められたらどうするのよ」
「それはこの国の偉い人に聞け。俺は学校に行くんだよ」
「学校って学ぶ場所のこと?」
「あぁ、日本は9年間みっちり勉強出来るぞ。俺は12年目だが」
「…あなたの国ってすごいわね」
「何が?普通のことだろう」
俺的にはあまり勉強したくないんだが…。
「お兄ちゃん遅い!」
「すまん。シエラと話し込んでな」
シエラはさっきからずっと
「日本…私たちも見習わないと」とつぶやいている。すっごい怖いんだが…。
「きっとシエラさん思うところがあるんだよ。てか早く朝食食べてよ!私が遅れちゃうじゃない!」
「すまんすまん。…シエラは食べられるのか?」
「あっ…」
「大丈夫。故郷で食べているものと同じよ」
「よかった~。聞くのすっかり忘れていたから」
「こちらこそご迷惑おかけしてすいません」
「シエラさんも食べたものあったら言ってね。出来るだけ再現するから!」
「有難うございます。ではアル・マーレ」
ある・まーれ? もしかしてこっちで言う「いただきます」のことか?
「…柔らかくて美味しい?」
シエラは食パンを口にして言っている (袋に大特価って書いてある)。
「これ安売りのものなんだが」
「それなのにどうして柔らかいの!?」
きっと今まで食ったパンが堅かったんだろうな。なんかこんなパンで感動してもらったら最高級のパン作ってる人に悪い気がする・・・。
「…まぁ食パンで感動してるとこ悪いんだが、俺たちがいない間どうするんだ?」
「そこは大丈夫。やりたいこと見つけたから」
…誠に不安である。
~to be continue~
どもども、蓮咲です。今回はちょっと物足りないなぁというとこを付け足しとして割り込み投稿したものです。まぁ適当に見てください。