過マンガン酸カリウムと召喚前
工科高校だと、共学なのに女子との関わりがねぇ……
俺の目の前に二人の紫に染まる白衣、いや紫衣?をきた男どもが立ちはだかる。
「おいおい、ココでやる気かよ?」
ココは実習室、様々な薬品が置かれた部屋だ。机の上には滴定のための器具や薬品が置かれていた。
「おう、テメェを一秒でも早くぶっ倒してぇからなぁ!」
奴らの片割れは、俺に向かって大振りのテレフォンパンチを繰り出してきたが、そんな雑な攻撃、……インドアな俺には当たる。
「どむっ!」
さらに、もう一人が腹部に爪先を捻り込んできた。
「ぐふっ!」
地に崩れ落ちるところを、顔面にアッパーが食らわせられる。
「ざくっ!ってどんな攻撃食らったらざくっ!っていうん、げるぐぐっ!」
ツッコんでる途中に二人から回し蹴りを顔面に食らう。
「「いや、げるぐぐっ!って何だよ!?」」
…………俺に聞くな、俺も解らん。
「って攻撃が止まってるぜ、バカ共がっ!!」
二人の間を抜け、机の上の容器を手に取る。
「なっ、しまっ……って、ちょいちょい、ソレ(……)はっ!?」
奴らが怯えるのも無理はない。
手に取った容器に入った薬品の名は……
「食らえっ、過マンガン酸カリウム!」
説明しよう!
過マンガン酸カリウムとは……紫色の薬品?
「「過マンガン酸カリウムとは、化学式 KMnO₄ の無機化合物で、カリウムイオン と過マンガン酸イオン より構成される過マンガン酸塩の一種であり、今回行う酸化還元滴定に用いる薬品の1つで、手や服にかかると紫色に染まって当分落ちない薬品っ!!」」
「…………お、おおう。皆さん詳しいっすね」
「授業で習ったし、俺達の白衣が紫色になっているのもその薬品、いや薬品は悪くねぇ、俺達の近くに来た途端にズッコケて薬品かけてきた、テメェのせいじゃボケェ!!」
「………………なんか、ゴメン」
「なんかゴメン、で済まされるかぁ~~!!」
「ドカッ、ドドンッ、カッカッカッ、ドンッ、ふ、フルコン、ボだぜ」
「「まだ、ボケれるのかよ!?」」