なんでだろう?
チュンチュン…
「あー眠い…」
「裕吾、ふらふらしてるけど大丈夫?」
「………実行委員てこんな時間に行くとは…」
文化祭当日、実行委員は朝早く学校に行くことになっていた
なんでも朝から会議をするかららしい。
「眠いな…」
「平気?あ、そこの自販機で飲み物飲もうよ」
「あぁ…」
ガチャン
「はい、ココア」
「あー…ありがと」
俺はココアを飲むが、まだ頭がぼーっとする
「………雪未は眠くないのか?」
「うん。私は毎日朝食作るから、早起きなんだよ」
「あー…そうか…しかし眠いなぁ…」
どうにもこうにも目が開かない
なんか目が覚めるきっかけでもないかなぁ…
あ、そうだ
「なー、雪未」
「ん?」
「キス…するか?」
「ふぇ!?きゅ、急にどうしたの?///」
まぁ、急に言われて驚かないわけないか…
「ん…眠気覚まし、かなぁ」
「だ、だからって…こんな道端で言わなくても…///」
「今は人がいないだろ?それに…」
「それに?」
「雪未のキスがないと…1日が始まらないんだ///」
「っ………///」
我ながら、恥ずかしいこと言ったもんだ
「も、もうっ…しょうがないな裕吾は///」
「しょうがない彼氏で悪いね」
「いいよ♪……………ん」
チュ…
「ん………ちゅ…///」
「ちゅ…ちゅ…ゆ、裕吾ぉ///」
「ゆ雪未…ん…ちゅ……///」
雪未を壁に寄りかかせて、腕を掴んでキスをした。
キスが俺の眠気を覚ましてくれた
ぷはっ…
「目………覚めた?///」
「うむ。雪未のキスはココアの味がしたな」
「さっきココア飲んだから…///」
「それでも雪未のキスは気持ちいいな…」
「………バカ/////」
~~~~~~~~~~~
「文化祭じゃあああああぁぁぁぁぁ!!!!!」
小月はめちゃくちゃハイテンションで叫んでいた
「元気だなお前…」
「だって文化祭だぞ!テンション上げてこうぜ!」
いや確かはテンション上がるけど、お前は上げすぎだろ(汗)
「あれ?そういえば、沙紀ちゃんは?」
「あぁ、尾久なら文化祭の取材に行ったよ。なんでもネタを新聞部に売り込むらしい」
「………尾久って、新聞部員じゃないんだ…」
「まぁそれはともかく、小岩と城崎っちゃんは午前どうすんだ?」
「午前は実行委員の仕事で見回りだな。小月は?」
「俺は午後からクラスのシフトだな」
「そうか。じゃあ午前は高井戸さんと回れば?」
「由香里と?なんで?」
「いや高井戸さん、シフトが午後らしいから暇を持て余してんじゃないかと」
「そうか?友達と回ってんじゃないか?」
「そうかもしれないけど、お前が行くと高井戸さん喜ぶって」
「由香里が~?俺に?」
「……………」
コイツ…鈍すぎだろ…
「とにかく、高井戸さん暇らしいから行けば?」
「いいっていいって、メンドクサイ」
プチッ
「えーい!!いいから行け!!」
「え!?」
「高井戸さんは暇なんだから、お前が面倒見ろ!!」
俺は鈍すぎる小月にキレて、小月を教室から追い出した
バタン!!
「はぁ…やれやれ…」
~~~~~~~~~~~
バタン!!
「な、なんだ?小岩のヤツ、急に…」
なぜか小岩に教室に追い出された
ったく、なんで由香里と回らなきゃいけないんだよ
俺は隣の4組まで行った
ガラッ
「おーい、由香里」
「えっ!?正孝?///」
俺は教室のドアを開けると
「あ………」
「あ、あうう…/////」
そこには執事の姿をした由香里が立っていた
「おぉ…」
「うぅ…///見ないでよぉ…」
由香里はうずくまって恥ずかしそうにしていた
「似合うじゃないか」
「え………///本当?」
「由香里は男装似合うな」
「嬉しいけど、なんか複雑…」
「二次元の男の娘みたいだな!」
「それって褒めてるの?(汗)」
「ところで、正孝はどうしてここに?」
「そうそう、今日は午前暇か?」
「シフトは午後だから暇だけど…」
「じゃあ、一緒に文化祭回らないか?」
「ふぇ!?いいの………?」
「いいぞ。というか小岩が行けって言われたんだよな」
「小岩君が?」
「『お前が面倒見ろ!』と言われてな、何か怒ってたな」
「あぁ…(汗)」
「なんだろうな小岩」
「な、なんだろうね小岩君…(汗)」
~~~~~~~~~~~
『ただいまから文化祭1日目を開催いたします』
ガヤガヤ…
「さて、どこに行こうか?」
「う~ん…正孝が行きたいところでいいよ。」
「じゃあクレープでも食うか」
パクッ
「ん、おいしーい♪」
「うむ、うまいな」
焼きそば
「ソースが濃厚だね」
「そうだな」
カレー
「辛さがちょうどいいね」
「そ、そうだな」
チョコバナナ
「甘くて美味しいね」
「あ、あぁ…」
たこ焼き
「おいしーい♪」
「……………」
食い過ぎだろ…………………………(汗)
デザートの次にまた主食とか、バランスがおかしすぎる…
由香里ってそんなに大食いだったっけ?
「な、なぁ…由香里?」
「ん?」
「け、結構…食べるんだな?」
「ふぇ………あ///」
カァァ…/////
なぜか由香里は顔を赤くした。
「由香里?」
「あ…えと………違うの!!こ、これは…///」
「何が?」
「私、そんなに大食いとかじゃなくて…///」
「文化祭で浮かれてたとか?ww」
「あ…あうぅ~~~~~…/////」
余計顔が赤くなっている
なんか可愛いな
……………ん?可愛い?
「と、とにかくっ!こ、これいらないからあげる!!///」
と俺にまだ開けてない焼きそばを押しつけてきた
「て、これ由香里のじゃ…」
「お腹いっぱいだから、いらないの///」
「いや、でも…」
「いいから!!あ、そうだお化け屋敷行こう!!」
「はい?」
なぜ急にお化け屋敷?
「とりあえず行こう?正孝」
由香里は慌てたようにお化け屋敷に入ってしまった。
でも、由香里って確か…
バーーー!!
「きゃあああああぁぁぁあぁ!!」
「……………」
昔からお化け屋敷が苦手なのだが、なぜ入ったんだろうか?
「…………………………」
「えと…由香里、大丈夫か?」
「うぅ…なんで私、お化け屋敷に入っちゃたんだろ」
「自分で入ったんだろ」
「うぅ…」
なんだろう、しょんぼりしている由香里が可愛い…
……………
……………
あれ?なんで可愛いと思ったんだ今?
おかしいな…俺は二次元の女の子にしか可愛いと思ったことないのに…
なんでだろ?
それから午後になって…
「……………」
「ねー、小月~」
「……………」
「小月!!聞いてるの?」
「え?あっ…悪い。聞いてなかった」
「どうしたの?ずっとぼーっとして」
黒磯が心配そうに顔をのぞく
「いや、ちょっと二次元の良さを再認識しようと考えていた」
「なにそれ?」
「なんだろうな…」
「もー、小月は本当に二次に走ってばかり…恋愛とか興味ないの?」
「ないわけじゃないけど…今は二次元が好きだな」
「由香里とかに興味ないの?」
ドキッ
「な、ないな…アイツはただの幼なじみだからな」
「ふーん?」
「あ、俺、ちょっと注文取ってくる」
タタタタタ…
「へぇ…そうなんだ」ニヤリ
~~~~~~~~~~~
『これを持ちまして、文化祭1日目を終了します』
「はー…疲れた…」
「見回りお疲れだったな。小岩、城崎っちゃん」
「サンキュ。そういや小月は結局、高井戸さんと文化祭回ったのか?」
「は?あぁ…回ったけど?」
「そりゃよかった。高井戸さんと文化祭回ってどうだった?」
「そ、それは…いつも通りだったよ」
「なんだ。いつも通りなのか」
そうだ…いつも通り、由香里と文化祭回っただけだ…
「ところで黒磯。お前はなぜニヤニヤしてる?」
「どうしてだろ?ニヤニヤが止まらないのww」
すると
「お、お疲れ様。」
ビクッ!!
由香里が教室に入ってきた
「お疲れ様、高井戸さん。どうしたの?」
「えっと…実はうちのクラスから飲み物が余ったので、皆さんにおすそ分けを…」
「いいの?ありがとー」
「悪いね。わざわざ来てもらって」
「いえ…気にしないでください」
「おーい、小月。お前何飲むんだ?」
「は?お、俺はどれでもいいよ」
「てか、こっちに来て選べよ」
そうしたいのは山々なんだが、なんか由香里と顔が合わせられない
「いいって。俺は残ったヤツで」
「そうか?」
訳が分からない………さっきまで顔合わせられたのに
「ま、正孝…///」
ドキッ!!
「正孝。はい、これあげる」
俺は後ろを振り向くと
「っ……………/////」
笑顔で少し顔を赤らめている由香里が目の前に
「正孝。正孝はオレンジが好きだから、あげるよ」
俺にオレンジジュースを差し出してくれる
でも、俺は恥ずかしくて…
「あ…ごめん!!お、俺いらないから!!/////」
「ふぇ?」
「あ、そうそう!!俺、先生に呼ばれてるからちょっと行ってくるな!!」
「あ…正孝…」
ダダダダダ…
「青春の優しい風が吹き抜けていったね、小岩ww」
「黒磯…お前…」
ダダダダダ…
な、なんでだろう?