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最終降臨 邪神ツクヨ様が斬る!

こんな駄作を読んでいる奇特な方、こんにちは。邪神ツクヨだ。遂にこのくだらない作品も最終回。では、始めるぞ!。






「よし、全員揃ったな。では、これよりツクヨ様完結記念パーティーを始めるぞ! 全員グラスを持ったか? では、乾杯!」


「「「乾杯!」」」


創造主ムメイが乾杯の音頭を取り始まった、ツクヨ様完結記念パーティー。


メンバーは俺こと邪神ツクヨ、魔書の化身の少女コウ、勇者にして男の娘のイサム、そして開催者の創造主ムメイの計四人。


今回は最終回ということで、完結記念パーティーを兼ねて、登場キャラによる大座談会をする事になったぞ。






「しかし、実にあっけない最期でしたね。まぁ仕方ないですね、お気に入り登録数一桁の駄作でしたし」


「悪かったな! どうせ文才無いさ! もっともウケないのは承知の上で書いたし、長続きさせる気も無かった」


「無責任な創造主だな」


「ふん! 神の類いは古今東西、無責任で身勝手なもんだ! 文句有るか!?」


やれやれ、本当に最低の創造主だな……。






「では、本格的に座談会を始めるぞ。テーマは特に無い。好きな事を言え。創造主の俺が許す」


「えーと、それじゃ俺から創造主ムメイ様に質問」


「ほう、一番手はイサムか。何だ?」


「俺、疑問に思ったんですけど、ムメイ様はどうしてこんなウケない作品を書いたんですか?どうせ書くならもっとウケる作品を書けば良いのに」


「その事か。答える前にまずはWeb小説を読んでみろ。ランキング上位のあらすじをざっと読むだけで良い」


「えっ? 分かりました……。






イサム、ランキング上位作品のあらすじをざっと読み終える。


「どうだった?」


「あの……、何だか同じ様な作品ばかりですね。異世界トリップとか、転生とか、主人公最強とか、デスゲームとか……」


「その通り。ランキング上位作品の多くがその手の作品だ。結果、同じ様な作品ばかりでつまらん。ぶっちゃけ飽きた」


「俺も同感だ。最近のランキング上位作品は同じ様な作品ばかり。もっと捻りの効いた、パンチの効いた作品が読みたいぞ」


「人間の悪い癖ですね。流行り物に乗っかるばかりで新しい物を生み出そうとしない。まぁ、そう簡単に新しい物を生み出す事が出来ないのも事実ですが」


「そこで俺は、あえてウケない事を承知の上でこの作品を書いた。人気や評価はそっちのけ、書きたい事を書いた。要は最近のありきたりな作品に対するアンチテーゼだ」


「結果、見事にウケなかったよな」


「黙れ、ツクヨ!」






座談会はまだまだ続くぞ。


イサムがまた発言。


「後、Web小説って、途中でほったらかしになっている作品が多いですよね」


「そういうのをエタると言うんだイサム。永遠に制作中と皮肉った言い方だ」


「どうして途中で放り出すんですか?」


「ま、理由は人それぞれだから一概にこうだとは言えないが、やはり飽きるというのが大半じゃねーか?」


「所詮、Web小説など素人小説。いくら書いたところで金になりませんしね。上位ランカーならまだしも、マイナー作家はやる気を無くすのでしょうね。書いても感想やレビューといった反応が無いのは実に悲しく、虚しいですから」


「コウ、お前も成長したな。人の感情が分かる様になったか」


「少しは」






「エタる理由は人それぞれ。コウも言ったが所詮、Web小説など素人小説。ナローの規約にもエタるなとは書いていない。だが、本気でプロを目指すなら最後まで書き上げろ」


「一番悪いタイプはあれこれと何作も書くくせに、どれもこれも中途半端にエタる人ですね」


「全くだ。そんな奴にプロ志望を口にする資格は無い! プロ作家と本気でプロ作家を目指す人達に謝れ!」


「うわ~、最終回だけあって、ツクヨさん燃えてるな~。初めて見た……」


「イサム、俺は何作もエタらせる作者が嫌いだ。その上、軽々しくプロ志望と言う奴は大嫌いだ。この際、はっきり言おう。どんな名作だろうがエタればクズだ。俺は文才の無いマイナー作家だが、エタらせはしない。例え強引にでも完結させる」


「ランキング上位の作品でも長期間、放置されている作品が有りますね」


「例えば万〇の主の魔〇図鑑な。確かアレ、お気に入り数一万超えだが、現時点で二ヶ月程、更新無し。作者が忙しいらしいが、俺はエタると見た。あまり長期間放置すると、読者以上に作者が冷める。そしてエタる。後、あの作品な、仲間が最強クラスなんだが、話の都合上、主人公と行動を共に出来なくなってしまった。仲間が最強クラスの意味無し。後、この作品、ネット上で劣化版オー〇ーロー〇と言われてたぞ。言われてみれば、似てるな。ま、俺はオー〇ーロー〇は嫌いだが。先ほども言ったが、主人公最強物は飽きた。大体、人間なんてバカだ。突然、強大な力を得たら暴走して破滅するのがオチ。ドラ〇もんの、の〇太のお約束パターン。便利な道具を出してもらっては調子に乗りすぎ失敗する」


「事実、転生者は悲惨な最期を遂げた者が多いですしね」


「そうなのか、コウ?」


「そうですよイサム。マスターの仰る通り、突然強大な力を得た人間は大抵暴走します。そして破滅します。自分が神や魔王になったと勘違いするらしいですね。所詮、人間なのに……」






まだまだ続くぞ!。お次はデスゲームだ!。


「以前にも斬ったデスゲーム物をまた斬るぞ。何せ俺は主人公最強物と並び、デスゲーム物が嫌いだからな」


「デスゲーム物は俺も嫌いだ。さて、どう斬るツクヨ?」


「俺の知り合いのWeb作家さんも言っていたが、とにかくデスゲーム物はツッコミ所が多い」


「でも、どうしてこんなにデスゲーム物が流行ったんですか、ツクヨさん?」


「それはな、ソー〇アートオン〇インって作品が元凶と言える。元はWeb小説だったんだが、大手出版社の目に止まり、出版されて大成功を収めた。それは良いが、結果デスゲーム物が大発生という事態を招いた。だが所詮、劣化コピーばかり。つまらん。自分も大成功を収めたいんだろうが、到底無理だな」


「所詮は二番煎じ。芸が無いですね」


「後、普通デスゲーム物はゲームクリアする事で脱出出来ると黒幕から言われるが、それが本当という保証は無い。俺ならこんな作品にする。主人公達に脱出法が有ると伝え、実は脱出法が無いと最後の最後で知らせる。人間、いきなり絶望させるより、希望を持たせた挙げ句、最後で一気に突き落とす方が堪えるからな」


「うわ~、ツクヨさん意地悪だな~。流石は邪神」


「いわゆる、持ち上げて落とすやり方ですね」


「確かにそれはキツいな。見事な邪神ぶりだなツクヨ」


「ふん! そもそもデスゲームを仕組んだ黒幕が馬鹿正直に脱出法を教えると思うか? それ以前に脱出法など作るか? 俺ならしない。黒幕の言葉を疑わない主人公達は思考力が無いのか? バカ過ぎる」


「後、こんな話も考えた。ゲームクリアしてはいけない。パターンはいくつか考えた。パターン1、ラスボスを倒しゲームクリアすると管理者を失ったゲーム世界が消滅。主人公を始め、全プレイヤーもな。つまりゲームクリアする事で脱出出来るというのは真っ赤な嘘、全ては罠だった」


「パターン2、実は主人公達をゲーム世界に閉じ込めたのは悪意ではなく善意だった。現実世界は既に滅びており、その事を知らせない為にゲーム世界に閉じ込めた。だが、ゲームクリアした事で真実を知ってしまい絶望する。更に、他の奴らも現実世界に戻ってきてしまい、最悪の事態に」


「某映画に似ていますね。向こうは人間を利用するためにVR世界に閉じ込めていましたが」


「そうだな。言うなれば逆パターンだ」






最後はWeb小説そのものを斬る!。


以前から言っているが所詮、Web小説など世間は軽く見ている。所詮、素人小説って事だ。


俺はネット上でランキング上位の作品について調べたが、まぁ見事にボロクソに貶されていた。先ほど言った万〇の主の魔〇図鑑とか、平〇久秀の戦国〇記とかな。


ちなみに最悪が大人にな〇ない英〇殺し。コンテストで優勝して出版化されたは良いが、さっぱり売れず、笑い者。


ネット上での評価も最悪。つまらない、主人公が小悪党、金を払うほどの物じゃない等。


その上、作者も評判悪いしな。コンテストの優勝自体にケチがついているし。


以前にも書いたが出版社は売れない作家には用が無い、切り捨てる。既にこの作者は切り捨てられた様だな。英〇殺しは新刊、重版の話が無いらしいし、後の他社とのコラボイベントでこいつの作品は取り上げられなかったらしいしな。哀れなもんだ。






さて、そろそろ終わりが近いな。


「そういえば、ツクヨさんって邪神なのに、一回も邪神らしい事をしていませんよね。何故ですか?」


「その事か。いいかイサム。邪神の仕事は世界に災いをもたらす事だ。だが、邪神は悪い神だ。悪い神が真面目に仕事をして世界に災いをもたらすのはおかしくないか?。だから俺は悪い神らしく仕事をしない。これこそ正しい邪神の姿だ!」


「無茶苦茶な屁理屈ですね、ツクヨさん……」


「うるさい、俺は邪神として働くなど真っ平ゴメンだ。だが、最終回なんだし少しは邪神らしい事をするかな」


「何するんですか?」


「まぁ、見ていろ」


俺は立ち上がり天を指差す。そして邪神スキルを発動させる。


「邪神スキル、ジャシンサンダー!」






同時刻、聖王国首都。聖王城


「ええい! またしても邪神討伐に失敗したのか!」


「申し訳ありません陛下。しかし、邪神配下(メツボー教戦闘部隊の事)は皆、士気が高く非常に強力です。その上、度重なる出兵でこちらは皆、疲弊しています」


「使えん奴らめ! あの勇者のガキも帰って来んし! 全く役に立たん! あのガキ、帰って来た時にパーティーで毒殺する計画まで練っていたのに、全てが無駄になった。ええい、忌々しい!」






同時刻、聖王国首都、城下町。


「ねぇ、かあちゃん。何かお城の上に変な黒い雲があるよ」


「何だいありゃ? 空は晴れているのに、お城の上だけ黒い雲が有るなんて……」


その時!


ズガガガガァアアアァアン!


凄まじい轟音と共に城の上の黒雲から巨大な黒い雷が聖王城に降り注ぎ、一撃で城を跡形も無く破壊した!。


「かあちゃん! お城が吹っ飛んじゃったよ!」


「なんてこったい……」






再び、ツクヨの家。


「よし、命中。何せイサムを騙して、俺を殺させようとしたクソ共だからな。きっちり報いは受けてもらう」


「驚きましたね、いつの間に邪神スキル、ジャシンサンダーを使える様になっていたのですか?」


「ふん、お前らが寝ているうちに修行していたんだ。邪神の力を使いこなせる様にな」


「えっと、何したんですかツクヨさん?」


「聖王国の城を吹っ飛ばしてやった。しかしあいつら本当にクソだな。ジャシンアイ(千里眼)やジャシンイヤー(地獄耳)で動向を探っていたが、とことん腐ってやがる。メツボー教の奴らの方がまだマシだ」


「でも国王がいなくなったら大騒ぎになるんじゃ」


「それなら大丈夫。既にメツボー教の部隊が王都に潜入済み。すぐに制圧するさ。あいつらは優秀だし、対する聖王国軍は疲弊しきっている。捕虜にした聖王国軍の兵士に聞いたが、酷い扱いらしい。食事はカチカチのクソ不味いパンに水。俺が雑炊を出してやったら泣いて喜んでいたぞ」


「そりゃ、疲弊しますよね……」






数日後


「邪神様、聖王国の首都制圧完了しました」


「そうか。犠牲者は?」


「当方、敵方共に無し。既に聖王国軍は戦意を喪失しており、あっさり全面降伏しました。国民も聖王の悪政にうんざりしており、我らメツボー教部隊を歓迎しております」


「そうか、良かった。世間の皆様に愛される活動を続けてきたおかげだな」


「教祖に伝えろ。お前が新しい国王になれ。ただし、国民に愛される良い政治を行えと。悪政を行えば、この邪神ツクヨが呪うとな」


「は、その様に伝えます!」


「さて、この先この国はどうなるでしょうね? マスター」


「さあな。そこまでは面倒見切れん。何せ俺は邪神だからな」


「そうでしたね」


「ところで、出発の準備は整っているのか? 出発は明日だぞ」


「それなら問題有りません。既に完了しています」


「そうか。では俺は最後にもう一つ邪神らしい事をするかな」


「何をなさるので?」


「それはな……」(ニヤリ)






その夜


「ツクヨさん、明日でいよいよ、この世界とお別れですね」


「あぁ、そうだな。前の世界で死んで、邪神に転生させられて、コウやイサムと出会って、メツボー教の奴らに崇められて、アイドルデビューして、聖王国の国王達をぶっ殺してやった」


「最後がいかにも邪神らしいですね……」


「いや、まだ邪神らしい事をするぞ」


「何をするんですか?」


「なぁ、イサム。お前、最初俺を殺しに来たんだよな。で、失敗したにも関わらず、生きてる訳だ。俺が見逃したおかげでな。だが俺はまだ対価を貰っていない。身体で払ってもらうぞ」


「働けって事ですよね、ね、ツクヨさん?」


「以前から思っていたが、お前下手な女より可愛いしな。ブ男やむさいマッチョ男は嫌だが、可愛い男の娘ならありかもな。今や俺は女だし、これも経験って事で……」


「ちょっと、やめて下さいツクヨさん! コウ、ツクヨさんを止めて!」


「マスター、私はお邪魔な様なので席を外しましょう」


「おう、そうしてくれ」


「わーーっ! コウの薄情者ーーっ!」


「さあ寝室に行くぞイサム。今夜は寝かさんぞ」


「嫌ぁあァアアアアーーーーっ!!」






深夜


「ほら、イサム! もっと気合いを入れて腰を動かせ! 俺は全然満足していないぞ!」


「……ツク…ヨさん……、も…う無理……。勘弁……して……」


「だらしないな、それでも勇者か! ほら、まだまだヤるぞ!」


「……この……人でなし……」


「違うぞイサム。俺は邪神!」






翌朝


「随分、お楽しみだった様ですね、マスター」


「おう! 実に楽しかったぞ! いや~、可愛い男の娘の童貞、美味しく頂いたぞ!」


「グスッ……、酷い。邪神にそれも元、男に童貞を狩られるなんて……」


「泣くなイサム。お前、男で勇者だろ! 大体、お前も俺の処女を奪っただろうが。こんな美人の邪神の処女を奪うなんて滅多に無い経験だぞ。むしろ光栄に思えよ!」


「そりゃまぁ、確かにツクヨさんは美人だし、処女を頂きましたけど……」


「ならお互い様だな!」


「う~~……」


「マスター、イサム、そろそろ出発しますよ!」


「分かった、今行く! ほら、イサム行くぞ!」


「あっ! ちょっとツクヨさん!」


俺はイサムの手を取りコウの元へと向かう。コウのそばには光輝く魔法陣。創造主ムメイの用意してくれた転移魔法陣だ。さて、この先何が待っているのやら?。


「よし、お前ら。準備は良いか?」


「私は準備完了です」


「俺も大丈夫です」


「次の世界はどんな所だろうな?」


「それは分かりません。私としては美味しい物の有る世界なら、構いません」


「コウはムメイ様に飲み食い出来る様にして貰ってキャラが少し変わったな」


「ほっといて下さい、イサム」


「ほらほら、二人共ケンカするな。それじゃ行くぞ!」


「「はい!」」


そして俺達三人は転移魔法陣に入り、次なる世界へと旅立った。


あの夜、歩道橋から転落死した事から始まった俺の邪神ライフ。この物語は幕を閉じるが、この俺、邪神ツクヨの邪神ライフはまだまだ終わらんぞ。次なる世界でまた会おう!。


何、嫌だ?。ジャシンサンダー食らわすぞ!。






転生、降臨、邪神ツクヨ様が斬る! 完


僕と魔女さんへと続く!



転生、降臨、邪神ツクヨ様が斬る! これにて完結。ですが、ツクヨ様達はまだまだ消えません。メイン作品の僕と魔女さんに移動します。


さて、この作品ですが、作中でも書いた様に、ウケや評価は完全無視。書きたい事を書きました。


これを読んでいる貴方。最近のランキング上位の作品を読んで本当に面白いと思いましたか?。


同じ様な作品ばかりと思いませんか?。


俺は最近のランキング上位作品はほとんど読みません。ぶっちゃけ飽きました。


どいつもこいつも、人気や評価ばかり気にして、同じ様な作品ばかり書き、実につまらない。


もっと捻りの効いた、パンチの効いた作品が読みたい!。


無名のマイナー作家が吠えてみました。では、ごきげんよう。

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