降臨十発目 評価されたい人達
周りから全く支持されないのにまだ続くこの作品に呆れる、邪神ツクヨだ。さて、今回は……。
「よし、今回の分が書き上がった。早速投稿っと」
最近はアイドル稼業で忙しくなかなか書けなかった趣味のWeb小説の最新話を書き上げ、早速投稿した。え?、邪神として働け?。お断りだ!。
「マスター、相変わらず駄作を世に発表されているのですか。よくそんな金にならない事をされますね」
うるさい、人の趣味に口を挟むな!。言われなくても駄作な事ぐらい分かっている。
「別に良いだろ。俺の趣味なんだから。それにこんな駄作でも読んだり、感想を書いてくれる人がいるんだよ」
「世の中は広いですね、そんな酔狂な方々がいるとは」
ムカつくが否定出来ない。確かにどこが良くて読んでいるんだか?。
さて、今回のお題は、評価されたい人達にするか。
「ちなみに俺は自分の作品に特に評価は求めない。俺の持論は評価は求める物ではない。他者からされる物。そして他者が評価したくなる作品を書きたい」
「マスター、出来ない事は言わないのが賢明です」
「コウ、ツクヨさんに失礼だろ!」
「いいから、イサム。コウの言う通り、俺には出来ない」
「とはいえ、自分の作品を評価されたい人がいるのもまた事実。そして作品の評価や感想を求めたり、宣伝する為のサイトも有る。俺は利用した事が無いがな」
「どうしてですか? 宣伝したり、評価や感想を求めればいいじゃないですか」
「イサム、マスター程度の駄作は宣伝の価値が無いですし、評価や感想を求めたところでボロクソに貶されるのがオチですから」
「ズバリ正解を言ってくれてありがとうコウ。ま、コウの言う通り。俺の駄作じゃ、宣伝の価値が無いし、ボロクソに貶されるのがオチ。趣味で書いているだけなのに、わざわざ叩かれる気は無い。俺からすれば、評価されたがる奴らが分からん。そもそも評価は作品に対するオマケみたいな物と俺は思う。あいつら、評価の為に小説を書いているのか? 本末転倒じゃないか?」
「自分は貶されるのが嫌なくせに、他人は平気で貶されますね、マスター」
「何せ俺は邪神だからな。俺にはあいつらがドMにしか思えない。わざわざ他人に評価の名目で貶されたいのか? 俺には単なる他人の作品をこき下ろすだけの場にしか見えないぞ」
「何故、Web小説を書くのか? それは人それぞれ。俺の様に趣味、道楽の人もいれば、あわよくば出版化と考える人、本気でプロ志望の人と色々いるだろう。俺は人の事に口を挟む気は無い。俺は誰かが俺の作品を読んでくれて、少しでも気に入ってくれればそれで良い。その点ではWeb小説に感謝している。Web小説を知らなければ、俺の作品は誰にも読まれる事無く、俺の死と共に消える運命だったからな」
「今回は随分、饒舌ですねマスター」
「どうしたんですか、ツクヨさん?」
「それには俺が答えよう」
「ムメイ様!」
「コウ、誰この人?」
「イサム、この方は創造主ムメイ様です」
「俺を邪神に転生させた張本人だ」
「さて、ムメイ。あんたから話してくれるそうだな」
「あぁ、そうだ。お前ら、よく聞け! 次回で最終回、完結だ!」
「やれやれ、やはり打ち切りですか」
「そんな! 俺、どうしたら?」
「安心しろお前ら。この作品は終わるが、お前らは他の世界へ引っ越してもらう。お前ら結構、気に入ったキャラだからな」
と、いうわけで次回、最終回。
次回、最終回。




