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ナゼナニ?勇者が先か?魔王が先か?  作者: メロンよりイチゴ
7/7

やりたくないがやらねばならない事

|д゜)チラッ

周皇は王都を離れる前に近衛隊長と第七魔道騎士団長に忠告の手紙を渡して王都を離れた

遠くない未来に起こりうる懸念の回避を願い


王都から離れ夕闇の帳が降り始め周皇は一人キャンプの支度をしていた


「う~ん、どうしてこう新しいのは…使い勝手のいい武技や魔法が無いのかな…」


城を出る前に近衛隊長から現在の武技と魔法について一通り教わり試してみたのだが殲滅を主体にしているモノが多かった

武技にしても一つの的だけを切断するのではなく回りにも斬空波が広範囲におよび攻撃の的を絞れない

過去の武技や魔法の方が使いやすく魔力や体力の燃費もいい

今現在のモノは仲間が近くにいる場合には武技や魔法出来るだけ温存せねばならない

魔法も同じく初級魔法でさえ的に当たるだけではなく魔力が爆散する始末


何がどうしてこうなった?


『それは仕方無いよ。武技にしても魔法にしても戦争で使う為の殺戮の手段だからね。君が倒されたあとは尚更そういった面の強化が目指されちゃってたからね』


「ピンポイントで狙えねぇ。これじゃ、うっかり森で使ったら森林火災だな…」


目の前の大木に大穴が開き燃えている

フォレスト・ボアがひょっこりと現れたので新鮮なお肉の調達のつもりだったのだが…

昔の調子で現在のファイアランスを撃って見るとロボアニメの対艦ビームライフルのような音と閃光が右手に持った単杖から迸しりロングファング・ボアと大木を貫通して見せた


周皇はただ少し美味しいお肉が食べたかっただけだった


ロングファング・ボアは見事な黒焦げの塊と化した


周皇は泣く泣く黒焦げのロングファング・ボアをストレージに投げ込み素材分けを一応はする

ストレージに死体を投げ込み選択をすると自動で解体され素材るか死体のまま時間停止保存が出来る

うっかり忘れていても腐らないので大丈夫!


ストレージ持ちならある程度の習練をすれば容易い事である



但し内容量の制限が無いのは周皇レベルの規格の話だが。



周皇は焚き火用に集めた枯れ枝に現在の〘火球〙を投げ入れてみた。


焚き火用の枯れ枝組んでいた石の簡易釜は跡形もなく爆散した。


周皇は軽く頬り投げただけだった



「魔力制御で思いっきり魔力を絞ってやってみたら行けるか?バーナーみたいに…」


『多分オースがやると凝縮された魔力に上位火炎魔法みたいていうかジェットエンジンみたいな今のよりも吹き飛ばす様に燃えちゃうじゃないかな?』


「あのー、神様達?俺今サバイバルの初期に躓いているんですけど?」


『うーん…あ、オースは指先に火を灯すイメージをしてみて!ライターの弱火程度のイメージ!』


「指先に火を灯す…ライターの弱火の…おお!出来たー!流石神様達ー!」


周皇は火を手に入れた!


爆散した枯れ枝や石を集めなんとか竈らしいモノを作り鍋に魔法で作り出した水を入れ湯を沸かす


夜空は満天の星空

懐かしくもあり初めてでもある不思議な感情が周皇の身体の中を駆け巡る

前世の魔王の頃より千数百年後の世界

あの頃の勇者達はどうなったのか?

元の世界に帰れたのか?

遺跡都市として現在も残る過去の魔王のオースの栄光の果て


紅茶ポットに茶葉を適当に入れお湯を注ぎ少し待つ

茶葉がだんだんと開きながら底の方へと静かに沈んで行く


気取らない騎士団員の使う木製のカップに紅茶を注ぎ砂糖を適当に入れ木のスプーンで混ぜて一口飲む。


(なにやってんだろ俺。日本に帰れるのかな…)


城から貰った食糧で腹を満たす

近衛隊長に教えて貰った野戦食

干し肉を湯で軽く戻し

根菜の皮を向き一口代にカットし煮込む

煮汁に香辛料を適当に入れ日持ちするために固めに焼かれたパンのようなモノを千切ってスープに浸し柔らかくしたモノを周皇は食べていた


まず日本では食べないであろう

塩味ばかりの食事

香辛料は気持ちだけ感じる

まさに素材の味を生かした料理


素材の味しかしない料理


ウィンナーでもあればポトフな感じだったのかも知れないがウィンナーのような燻製肉類には悪意と害意の反応が出ていたので王の前に投げたのだった


(持たない…これでは俺は持たない…ろくに旅をするなんて出来ない…ファミレス、インスタント、レトルト、コンビニそれが俺の普通の食事ローテーションだったのに!いきなりサバイバル?極フリのインドア派の俺に無理だー!この先、生き物を殺して肉に自分ですんのかよ!…多分やれば出来るだろうけども金を出せば焼くだけで食える新鮮な肉が買える日本に慣れた俺にとってはそれが最大の罰ゲーじゃね?…食中毒には気を付けよう…この世界の食べ物にこの身体は耐性があるのかどうか解らないからな…)


倒木に座る周皇からは冒険者都市まではまだまだ遠く見えない

街道が見えるだけだ

振り替えれば王都がまだ見える距離


周皇の旅は始まったばかりだった


安全な寝床に強化した土魔法で簡易馬小屋と半円形の建物に暖炉と煙突をつけたモノを建てた


探査魔法を常張り続けると小さな動物にも反応してしまい安眠が出来ない

馬も緊張して安らげ無いのでそのように周皇はした

冒険者都市まで馬の脚ではまだまだ三~四日かかるらしい

空を飛んで行けば早いのだが街に入るまでは目立たない様に普通の旅人を装う為に

色々目立つ事は冒険者登録の後からでいい


周皇はゆっくりと四~五日かけ冒険者都市にたどり着く様に進む

種族レベルをあげなければならない

今の周皇の種族レベルは15

ペーペーの新兵並程度しか無い

まずは鍛えなくてはならない

基本能力は高いが肉体に基本能力が追い付いていない

周皇は肉体の能力と種族レベルをあげる必要がある

街道沿いは何事もなく馬に跨がりポックリポックリとかこれたのだが夜営の食事支度中なるとに数度毎度お馴染みですと言わんばかりに四~五匹のゴブリンに混じりオークとオーガ達と戦闘が始まった


食事準備の炎や煙を見つけると夜に舞う虫の如くゴブリンや魔物が寄って来る


お陰で戦闘スキルや魔法の加減や範囲など実戦で徐々に思い出しこの身体にあった力加減もレベルも手に入れられた


「はぁ、食事準備前に命懸けって…そりゃ戦いのコツなんか覚えられたし索敵魔法の範囲や詳細まで図れる様になったよ?清浄魔法も解毒魔法も修復魔法も覚えれたし魔物からの視線や殺気や気配の距離や数も…しかし近衛隊長に教わった通りなら第七魔道騎士団ってヤバくない?…マジで神様達?」


『だって王下第七魔道騎士団だよ?戦闘のプロ集団だよ?王国随一の一対多数に特化した部隊なんだよ?だから元第七魔道騎士は退団しても特別に複隊猶予期間が儲けられているんだ』


「いやね、解るよ?解るけどさ日に日にオークとオーガのだけの混戦部隊になって昨日はオーガとハイオーク部隊だったじゃん!俺さ獣は全く狩れて無いんだけど?」


『あのねオース、例えばさ君のいた所の軍隊の兵隊さん達が単身で獣を狩り捲る?』


「そりゃ…狩らないと思う」


単身の元グリーンベレーの兵隊さんも一度くらいしか猪を狩っていなかった様な気がする


『でしょ?それなら君は王国随一の高火力先陣斥候部隊、第七魔道騎士団の騎士だったと思われる様に君の成長を僕(私)達が君の戦闘に他の冒険者達の邪魔が入らない場所に導く様にサポートしてるんだよ。魔法や武技やスキルを身に付け、王都から単身で生き抜いて来たという実力を街に辿り着くまでに手に入れていないとおかしいでしょ?街に辿り着くまでに最低でもレベルは30~50になってて貰わないとねぇ。対魔物及び対人戦闘特化騎士団の退団騎士じゃ無いとあっという間に見抜かれちゃうじゃない?初めてゴブリンに遭遇した時に躊躇して掠り傷だったけど矢と魔法で怪我したの忘れた?』


「覚えてる…」


『オースは元騎士=元戦闘のプロとしていなきゃいけないんだ。本来ならゴブリン程度に後れをとっては駄目なんだよ?お馴染みのテンプレイベントも街に着いたらてんこ盛りだからね!w』


「テンプレイベントはマストなんだ…」


『モチの論!wでもハードモードのテンプレになる。その為君は舐められてはいけない強さが必要なんだよ。だから魔物討伐チュートリアルもハードモード設定でありま~す!それにスキルレベルとかもそれなりに上げておかないと…まぁ、あとは解るよね?テンプレで情けなくゲームオーバーになりたい?』


神様達の声がワントーン低くなる


「はぁ、ハードモードねぇ、成る程。…ゲームオーバーは遠慮したい。でも、もう明日の昼には街に辿り着くけど?」


楽しげな神様達の声に芝居がかったマイクパフォーマンスが始まる


『レディース・アンード・ジェエントルメーン!今夜はハイオーガが初のボスして登場ー!明日の朝はチュートリアル戦闘の終了なのでサービスに~、な、ナント!ゴブリンとオーガとオークにボスとしてトロールもお付け致します!しかしトロールはチュートリアルの為に損傷の高速治癒再生スキルは持っておりませんが戦闘力は並のトロールと同じなので棍棒や殴打には気を付けて下さい。即死はしませんが気絶など致す場合がございます。お気をつけて、グブッw』


「おいコラ、神様達…チュートリアルで追い込むんじゃねぇよー!」


夕食前の戦闘では周皇は初めて死を意識した

ハイオーガはオーガとは別次元の強さと統率力を持っていた

半端な魔法も効かず周皇の斬撃も手にした棍棒で打ち返しなども行ってくる

隙があれば囲まれてしまうハイオークが体当たりで周皇の体勢を崩しにかかる

距離をとり魔法で牽制と急所をピンポイントで狙いハイオークを減らし少しずつハイオーガを減らし追い詰め夜半過ぎに漸く襲撃してきた魔物達を掃討出来た

装備を捨てる様に脱ぎさり風呂を急いで作ると夕食より先に風呂で疲れを癒した


「はぁ、ハンバーガー食いてぇ…おろしソースでステーキステーキ食いてえ…何でもいいからファミレスで飯ゆっくり食いてえ…ビール呑みてえ…ドラマ見ながら薄切りサラミとチータラでキューとしてぇ…帰りてぇ平和な日本に…みんなに会いてえ…普通に戻りてぇよ…」


夜空を見上げる周皇の頬に涙がつたう


(やっとあの魔法の無い生活になれたんだ。仕事も楽しくなって来たところだったんだ…それなのに…くそッ!だけど近衛隊長さんと第七魔道騎士団と騎士団長さんは王都から家族達と一緒に無事に逃げられたかな…またやるぞ、あの馬鹿王と教会は…お妃さん大きい姫さん小さい姫さん賢そうな王子達と宰相さん皆、王都から逃げろよ…)


風呂で周皇は近くないうちに起こる惨劇に捲き込まれないようにと周皇に優しく接してくれた人達の無事を祈った


翌朝はゴブリン二十体ハイオーク八体とハイオーガ十ニ体とトロール四体の大盛一個師団並の物量部隊が襲って来た。ハイオーガとトロールの波状攻撃に何度か吹き飛ばされはしたものの辛くも勝利を掴みチュートリアル戦闘を終らせ周皇は何とか種族レベルを53まであげ魔法、武技、スキルのレベルを7~8まであげる事が出来た

周皇は元第七魔道騎士団員と堂々と名乗れる程の強さを手に入れた


『街に辿りてからの神託!!(やから)冒険者達や高圧的な冒険者ギルド職員に対しては貴族騎士モードの威圧感バリバリムーヴで対して敵意や悪意の無い普通の冒険者達や一般の人達には優しく朗らかに笑顔の貴族使徒様ムーヴーで!よ・ろ・し・くー!イェーイー!ウィーアー!!』


神様達がパリピの様な陽気な声を高らかに上げた

ウェーイウェーイとハイタッチしている音も聴こえる


「なんだとー!」


周皇はイベントリに今日の獲物達を放り込みながら叫びを上げた。

ヒョコッ(゜ω゜)

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