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ナゼナニ?勇者が先か?魔王が先か?  作者: メロンよりイチゴ
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神の神罰

(*・ω・)モグモグ

周皇(すおう)は弁当を食べ終わりビニール袋に纏めイベントリに仕舞った


焚き火をするときにでも一緒に焼き棄てようと思い持ち帰る事にした


周皇にとお茶と茶菓子が振る舞われたが飲む気も食べる気はなかった


だって毒物反応があるんですもの

薄ら笑いの執事みたいな男が用意したもの


「おい、この国では持て成しに毒を盛るのが一般的なのか?」


「いえ!そんな事は!どういう事だ侍従長!侍従長を取り押さえよ!」


ヒト族の王が叫ぶと瞬く間に侍従長は取り押さえられた


「しっ、知りません私は用意されたものをお出ししたまでです!王、そのような下賤の者の戯言に御座います!王ー!」


必死に叫ぶ侍従長


周皇が冷たく言い放つ


「ならお前が飲んで食って証明しろ。近衛兵士達、そいつに食わせ飲ませろ結果で戯れ言かどうか判るだろう?」


「「「「はっ!」」」」


「止めろ!手を放せ王よ!王ー!」

「食え飲み込め茶を!流し込め!飲み込め!」


近衛兵士達が侍従長の口にお茶と茶菓子を詰め込み無理矢理に顎を掴み咀嚼させ鳩尾を殴りつけ飲み込ませる

口も塞ぎ吐き出せないように抑え込んでいる

侍従長は激しく身悶え腕が近衛兵士達から離れる

途端に侍従長は喉と胸を掻き毟る

爪が喉元に食い込みの皮膚を掻き毟り出血する

侍従長の目が白目を剥き目と口と鼻から血を吹き出して息絶えた

近衛兵士達は侍従長だったモノを手早く貴賓室から運び出し手際よく床の清掃をすませる


「ヒト族の、お前達のやり口は良く判った。そうそうに俺は出ていく。色々と防衛のアドバイスを残してやろうとも考えたが無しだ。神託を受けた者を見届けたら俺は出ていく。いいか?今後俺を探したり関わるような事は一切するな。判ったな?ヒト族の王」


ヒト族の王は顔から大量の脂汗を滴らせ何度も頷く

俺の右横に大量の荷物が運ばれてくる

一つ一つ鑑定する暇がないので悪意のあるもの害意のある物だけに反応する〘探知魔法(アイテムサーチ)〙を荷物にかけ手当たり次第イベントリに投げ込む


悪意、害意があったモノはヒト族の王の前に投げ付ける


見る見るうちにヒト族の王の前にアイテムの小さな山が出来て行く


「こっ、これは!一体?」


「荷物に悪意と害意がある物が紛れ混んでいたのでな。そんなものは要らんから返す。お前の裏の裏切り者が更に暴かれるな?荷物を選定した者達を捕まえ問いただせろ。ヒト族の」


「はい!直ちに!近衛兵士達よ!荷を選定した者達全員を捕らえよ!」

「「「「はっ!」」」」


近衛兵士達が深く頭を下げ足早に退出して行った


荷物をイベントリに入れ終わったあとにようやく主役の三人が貴賓室に到着した


いかにも神官という白と青と金の縁取りをした服装の中年の痩せた男と神官よりも豪奢な衣装のでっぷりと肥え太った50~60代の男と白木地に青の縦太ラインの左脚の太股辺りまで長いスリットが入ったボディラインが強調されたピッチピチのワンピースの衣装に首から金のネックレスに赤い宝石、いや魔石を加工した者を身に付けた十代後半~二十代前半の女性が近衛兵士達に連れられてようやくやって来た


誰も許可していないのに椅子に座りテーブルに両腕を乗せ腕組みをした神官も司教もふてぶてしい顔をし周皇を見下した目で見ている

聖女は床に膝を揃えて座り胸の前で手を組み合わせ拝む様に目を閉じている


「司教と神官がする目付きではないな。勇者として召喚された者は神の使徒という扱いのはず。神の使徒を見下す?神の使徒と同席する?神職者なら床に座るべきだな?聖女の様に。信仰者の基本の礼節も知らないのか?」


「何を!たかが勇者が神に仕える我らよりも地位が高いとでも言うのか!神の使徒ならば教会の使徒でもあるはず!貴様が床に座り膝ずけ!陛下!このような異教徒は処罰いえ、教会が裁定を下し神罰の元に処刑してくれます!」


息を巻く神官

神官の言葉に大きく頷き同意する司教

周皇は無視をして問う


「神託を受けた者は手を掲げろ」


周皇の言葉に最初に手を上げた司教次に神官最後に聖女が手を上げた


『手を掲げた者は神託の内容を一言一句違えずに今この場で話せ。そしてその言葉に虚偽や神託内容の発言を否定をした者には即座に神罰が下るものと思え』


周皇の声が木霊するように頭上から響き渡る


「馬鹿な!神聖な神託の内容を貴様のような下賤のものに、ウギャー!」


口を開いた神官に雷が落ち黒焦げになる


「な、な、何を異教徒め!さては神官を無詠唱にて行使した魔法で殺害したな!近衛兵士!捕らえよ異教徒を捕らえ、グギャー!」


無駄口を叩いた司教にも雷が落ち黒焦げになった


「司教ごときが近衛兵士を動かせる訳がなかろうに愚かな背信者達め。地獄に堕ちるがいい」


周皇が吐き捨て椅子にある黒焦げのモノを見下す


「わ、私は神より勇者降臨の召喚は許可せぬと神託が御座いました。しかし司教様と神官様お二人様には許可が降りたので私の神託は間違いだと…国王陛下には許可が降りたと報告すると…更に神託の事は口外するなと…口外すれば私と家族と親族を全て異端審問にかけ処刑すると…」


宗教を傘に着た典型的な背信者達のセリフ


聖女は肩を震わせ両目から大粒の涙を流していた


「フゥ、ありがとう辛かったな聖女。正しい神託を聴いた者が真の聖女で良かったな、ヒト族の。その臭い黒焦げたモノを早々に運び出してくれ。それらを異端の背信者達だったとして教会に報告し新たに全うな聖職者を王都に就任させる様にな。貴族達や金銭や権力に取り込まれない全うな聖職者をな。聖女、疲れただろう?椅子に座るといい」


「「「「はっ!」」」」


近衛兵士達と大臣が焦げたモノを布で包み手早く貴賓室から運び出す


「はい、ありがとうございます。使徒様」


聖女も椅子に腰をかける

聖女が椅子に座ると周皇は話を始める


「理解したかヒト族達。今のが〘神罰〙だ。それと勇者に関して重要な事をお前達は知らないようだから教えておく。前にも言ったが勇者とは存在自体が移動する神殿のような者だ。勇者の問は神の問。勇者とは神の代弁者だと言う事だ。勇者の行いは全て神が見ている。そして勇者の行いが間違いであれば勇者にも死後に神罰が下り地獄ヘと導かれその罪に応じて転生と死が繰り返す地獄が待っている。私利私欲で勇者を召喚した国もな。勇者を召喚した国が残さず滅びていることがその証明だ」


周皇はペットボトルの蓋を開けお茶を喉を二回鳴らして飲み込んだ


「では、では我が王国も滅ぶのですか!」


ヒト族の王妃が目に涙を浮かべ懇願する様に周皇を見つめる


「さぁな。俺は賠償金と品物を提示し、提示した賠償金と品物を受け取ったからあとは〘神のみぞ知る〙だな。それと一応正しい認識を教えておく。魔族と魔人族は別の種族だからな」


周皇は世界の種族の話をし始めた


「「「「「えっ!」」」」」


その場にいた全員が驚愕していた


「ふむ、やはり知らないようだな。魔族とは元は悪魔族といって幽体(アストラルボディ)の生命体でその地に根ずく為に身体を持った者達の事だ。対して魔人族とは元は神魔族といい、文字通りに神の魔法を意のままに行使出来る者達を示す。つまり真の神の末裔達の事だ」


王妃が周皇に聞く


「では何故、今そのような大切な事が伝えられていないのですか?」


「それは簡単な事だ。神魔族の王を討ち倒したヒト族の勇者達が自分達が神の末裔と名乗る為に魔人族=敵対者=悪と広めたからだ。更に自国の行いを正当化するためにな。そんな事をしても神罰は下り滅亡し勇者達は漏れなく地獄の輪廻に堕ちた。滅亡した国が広めた事だけが残り魔人族と付けられたままに今日に至る訳だ」


周皇はペットボトルのお茶を一口飲みペットボトルの蓋を閉めイベントリに放り込んだ



「もう少し付け足すと魔王とは魔族の中に生まれた強力な力を持つ特異魔族がそうなり魔族を率いる。返して魔人族の王の魔王とは力と魔力に秀で魔人族の民達に慕われ王座につき率いる者だ。魔人族に王が出たから討伐と言う馬鹿な考えは捨てる事だな。魔人族にはこちらから余計な手出しをしなければ魔人族から戦を仕掛けられる事はない。もし仕掛けられたならそれ相応の事をヒト族が起こしたからだ。知らない内に領土侵犯や誘拐、虐殺などな。覚えがないか?まぁ、あとから魔人族の領土がどの辺りにあって何を自国が行ったのか精査して魔人族に和解を申し込むべきだな。魔族からの侵攻があったのなら全力でそれこそ他国に頭を下げ応援を要請してでも対抗しないと滅亡するぞ?魔族は存在に贄が必要不可欠な未完成の生命体だ。魔族単種では繁殖活動も出来ない。戦略級魔法の代価になる他種族の多数の魂、依代と食糧になる他種族の肉体が侵攻の目当てだ。まぁ、それが魔族と魔人族との違いだ」


周皇は言いたい事は言ったと席から立ち上がる


「さてと近衛隊長、すまんが第七騎士団団員の空き部屋と第七騎士団の騎士団長との面会を取り成してくれ。そうだな俺は近衛隊長の遠縁の親族とだったという事にしてくれ。それと大人しい馬1頭と身分証は出来ているか?」


「はっ!畏まり承りました。こちらが御用意しました第七騎士団団員の証明の書類と団員章で御座います」


「ほう話が早いな。これは騎士団を離れても効力があるのか?」


「はっ!先ほど使徒様が陛下に問われておりましたので僭越ながらこちらに御用意を致しました。団員章なので半年間の複隊猶予期間の効力が御座います。それまでに新たな冒険者などの身分証を作る事をお薦め致します」


「成る程、良い身分証をありがとう。それじゃヒト族の。お前達との示談は俺がこの都市から離れたら示談完了とする。あとは自分の力で乗り越えろ。二度と勇者降臨召喚などするな。次は滅びるぞ?これは神託でもあり予言でもある。神からの代弁だと思えよ?」


ざわめく貴賓室

周皇は尚も言葉を紡ぐ

その声は頭上から響き渡る


『降臨召喚が失敗するのは神罰だ。降臨召喚自体が異世界からの一人の人生だけでなく回りの者達に大きな悲しみを与え更には産まれてくるはずの命達の行き場を無くすと言うとんでもない大罪だからだ。降臨召喚を推奨した貴族達それを止められなかった貴様は大罪人だと言う事を覚えておけ。貴様が行うことは貴族達の処断そして貴様は天寿を迎えるまで生き続け生涯を通して神に赦しを請い祈りを捧げ続けろ!これは神託でもある。忘れるなヒト族の王!』


一時貴賓室に静寂が訪れる


「はい!畏まりました!」


ヒト族の王達は椅子から立ち上がり深く頭を下げる

立っていたものらも全員深く頭を下げる


「では使徒様ご案内致します」


「頼む」


周皇はそう言い残すと近衛隊長に促され近衛隊長の左横に並び貴賓室を退出して行った。








周皇は内心、心臓が口から飛び出そうな程ドッキドキしていたが顔に出さない様に凄く凄ーーく頑張っていた。



(始めての修行神託が《いきなりですがこの城塞都市で他人と話す時の口調は魔王様ロールと使徒様ロールでw》て何だよそれ!神様達ー!!)

ほらね(゜ω゜*)ピキューン

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