表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ナゼナニ?勇者が先か?魔王が先か?  作者: メロンよりイチゴ
3/7

与太話は他所でやれ

(゜ロ゜)ポカーン

「現状国境沿いは一触即発の状況に陥り魔人族との戦争に参加していただけたらと思い今回最善の安全管理の元で召喚の儀式を行った次第です」


国王は立ったまま報告をしてきた


「ヒト族とは他人の力を借りなければアイカワラズナニモデキナイ赤子ノママダナ。聞クマデモナイ。己の行為に恥を知れ。誘拐犯共」


周皇は冷たく言い放つ。

この部屋で一番煌びやかな立派な椅子に腰を下ろすと

ビニール袋からいい匂いのする弁当など全部取り出す


「頂きます」


両手を合わせ言うとショウガ焼き肉弁当とペットボトルのお茶とピロットチキン丸揚げくん味の蓋を開けツナとコーンのフレッシュサラダにドレッシングをかけて手早く混ぜ合わせモグモグと食べながら皮肉たっぷりと言う


「そんな短期間で命懸けの儀式の許可の神託が神から三人に都合良く降りたな。オイ、神託が降りたと言う聖女、神官、司教の三人をここに呼べ。今すぐに」


「はっ、ただいま喚んで参ります!」


若い宰相代理が深く頭を下げ返事を残し静かに歩いて退出していった


「ヒト族の王、で?犠牲者は何人出た?」


どうでも良かったが気紛れに聞く


「この度の儀式に参加した魔道師らは魔力涸渇に倒れた者達は二十四人名ほどおりますが命を落とした者はおりません意識の戻らぬ者もいますが命はあります」


無駄な犠牲者が出なくて何よりだと周皇は安堵した

周皇はペットボトルのお茶を喉を鳴らして二口飲みキャップを閉める

周皇はあることに気付いていた

先ほどから頭に直接複数人の声で語りかけてくる声のお陰で


「ヒト族の、聞きたいのだけども」


「はい、何なりと」


「貴様の国の戦力はヒト族同士の戦も維持できないほど足りないのか?兵士が多く辞めている騎士団があるか?」


周防は不思議だった

煌びやかな貴賓室の調度品など税の極みを尽くしている


それに玉座回りにいた近衛士達のレベルやスキルは勇者ほどではないが中々の精鋭達だった

魔道師達もレベルも高く戦略級の魔法も一人で行使出来そうな者達だった


(まぁ、精神面は脆かったが)


怒気と殺気と魔力放出と低級の威圧魔法であの有り様思い出したら吹き出してしまいそうなので考える事を止めた


それよりも周皇は街の中に多くすんでいるキティキャットの気配にウズウズしていた


キティキャットの大半は長毛種が多くモッフモフで大人しく可愛い

餌を良く食べる個体はかなり大きく育つ

動き回るキティキャット達は頗る元気のようだ

と言うことはそう言った野良猫にも餌が豊富に行き渡っていると言う事になる

食糧事情はヒト族の王が言うほど切迫してはいないと言う事だ


にも拘らず優秀な人材の命を懸けてまで儀式を行う必要はないはずだと周皇は思った


実際、王都の食糧事情は全くと言って悪くはない

王都から南に降りればアガス大森林があり西には農産都市ギルレインがあり東に向かえば海洋都市ミズマリーナが栄えている


アガス大森林近くにも城塞都市ジグラームがあり冒険者組合が大森林に目を光らせている


王都の後ろの北はバストバンプス大山脈が天然の城塞壁のように立ち塞がっている


王都の守りは地形的にも不利な材料は見当たらない


周皇は周辺地域の地図を眺めながら食事を続ける

(味噌汁かなんか買っとけば良かった…しばらくは醤油味と味噌味は味わえないな…確か海の向こうの大陸には米に似たハイスが特産だったはず。ただこの国が交易しているかは知らねぇけど…ハァ…ゆっくりご飯と醤油味を噛み締めて食べよう…これで最後のお弁当の味になるんだから…)


こんなことになるのなら大量に弁当やホットスナックを買っていれば異空保管庫(イベントリ)に入れておけた

イベントリの中は時間が止まるので食糧の保管庫には適している

食糧庫担当の兵士達十人で魔都の二年分ほどの食糧を蓄えておけた

魔力の少ないヒト族ではイベントリ持ちは少ないらしいがエルフやドワーフや魔法が不得意と言われた獣人族ですら幼少期から取り扱えていた

極普通に


(ハァ…魔力が全盛期の上限まで戻りそうな勢いで身体が魔素を急速吸収しているな。あとは、えーと移動用の…〘浮遊魔法(フライティング)〙に〘拠点帰還(リターン)〙うん、問題なく使えそうだ)


ヒト族の王は質問からかなり時間が経ったが返答がない


「おいヒト族の、俺の問を覚えているか?」


思い詰めた様子でヒト族の王は話始める


「あっはい、王都周辺地域は問題ない戦力と兵力は御座います騎士多く辞めている騎士団は第七騎士団で御座います辺境周辺への就任移動を良く思っていないようで一月に二~三人ほど辞めております…王都周辺の守りは良いのですが…」


「が、なんだ?」


「内紛の兆しが御座いまして王国中部の貴族達の牽制にも兵力を割かなくてはならなくなっています…」


周皇は唖然とした

それは辺境など行きたくはない

外の敵に内からの敵に挟まれ挟撃され死に目の見えた場所になど就任したくはない

更にヒト族の王とは求心力の低い者でも王位につける事に開いた口が塞がらない思いだった


「求心力のなさはお前の力不足だ。そのような貴族達は力でねじ伏せ内乱蜂起罪、国家反逆罪で処断すればすむこと。それも出来ずに王が家臣に首を狙われるなど国とも言えんな、周辺国からも狙われるわけだ。一言だ、お前が甘い。違うか?」


「誠に仰られる通りで御座います…」


「フゥ、もう判った。あとは俺の平穏な生活を奪った賠償金とこの城にある物での中位~最高位の武具と魔装具を寄越せ。使い古した荷物袋と鞄、着回した衣服と使い込んだ騎士のライトアーマーに使い込んだ剣とある程度の使い込んだ盾にくたびれた騎士団員の靴もだ。俺は出ていく。話のあとに俺は冒険者都市に出立する適当な馬で王都から出る。適当に身分証になるものを用意しろ。俺が言った物を寄越さねば判るな?」


周皇はヒト族の王に目を眇め睨み付ける


「は、はい!仰せのままに御用意致します!」


ヒト族の王は立っている若いヒト族の男に声をかける


「直ぐに手配致しますしばし席を外します。失礼します」


若いヒト族は丁寧に頭を下げて退出していった


無駄にここにいる必要性を周皇はないと感じた

取り敢えずのしばらく暮らすための賠償金とある程度の武具に魔装具などを貰ったらここを出ると決めた

当面の行き先は決めてある


「で?神託が降りた三人は未だか」


「宗教大臣!司教らを早急に呼べ!」

「は、はい!」


ヒト族の王の後ろに立っていた中年の男にヒト族の王は慌てて声を投げ掛けた

中年の男は頭も下げずに急ぎ足で退出していった


「あまり言いたくないが礼儀が出来ていない臣下もいるようだな」


「はっ!大変申し訳ありません」


「それにだ、勇者などたかが国防の為に手に余る戦力を手にしてどうするつもりだった?世界征服でもするつもりだったのか?ヒト族の」


「いえ!そんなつもりは全く考えておりません!」


「お前の考えるよりも強力無比な力を持つ者だ。勇者と言う者達はな。呪術や魔道具程度で操れる者でもない。もしそう言った物で傀儡にしよう物なら神の使徒たる勇者の守護神から即座に神罰が下り国ごと滅ぶ。

それほど取り扱いが危険な戦力を持つ者が勇者達なのだぞ?国で勝手に強者に勇者と名乗らせないのは勇者となれば神の使徒として加護を受け神の神託も勇者が直接受ける勇者には教会など必要なくなる勇者自身が神殿となるからな。勇者についての文献にきちんと目を通していない証拠だ。もう一度言うお前は甘過ぎる」


周皇はペットボトルの蓋を開けてお茶を一口飲んだ


ヒト族の王その後ろに控えていた者達が喉を鳴らし唾を飲んだ


「あの場にいた者達の中にも呪術士と隷属魔法の込められた魔道具を持つ者達大勢がいたが俺が気付かないと思っていたか?」


ヒト族の王は顔を引き攣らせた


「そっ、そのような物を!」


「ああ、俺の前にいた貴族達全員と魔道士の中に呪術士が紛れ混んでいたな。魔道士達の中で未だ意識の戻っていない者が2~3人いる。そいつらだ。そいつらの後ろの者を探しだし反逆者として処断するべきだな」


「そこまでですか?」


このヒト族の王は頭の中に豆腐でも詰まっているようだ


「国の戦力として召喚した勇者を貴族達が奪おうと画策したんだ。それにも気が付かないのか?」


「あっ!」


後ろの者達は王よりも理解が早いようだ


「ヒト族の王、ヒトが良いのも大概にしろ。だからお前は()められている。その甘さに漬け込まれている。神託の降りたと言う者達が来ればわかる。楽しみにしておけ」


周皇はペットボトルのお茶をもう一口飲んでペットボトルの蓋を閉めた

(゜ロ゜)ポカーン

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ