表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
武龍伝  作者: もんじろう
94/204

94

「ははは!」


 鬼麿が笑う。


「なかなかやるね!!」


 再び鬼麿が無法丸へと襲いかかる。


 防戦の流れの中、無法丸は鬼麿の隙を見つけた。


 息を吸う。


「ふんっ!!」


 練気を込めた刃が鬼麿の右脇腹に飛ぶ。


「かっ!!」


 鬼麿が右手の爪で、それを受けようとした瞬間。


 無法丸の刀が翻った。


 爪をすり抜け、鬼麿の右肘に斬りつける。


「ぎゃーーーっ!!」


 鬼麿の悲鳴と同時に、右前腕部が斬り落とされる。


「うががが…」


 左手を右腕の切断面に当て、鬼麿が下を向く。


「む!?」


 無法丸が驚いた。


 鬼麿の腕の傷から、一滴の血も流れ出していなかったからだ。


「うがが…が…は…は…ははは!!」


 うめいていた鬼麿が突如、顔を上げ大笑(たいしょう)した。


「全然、痛くないよ! ああ、可笑しい!」


 無法丸は黙っている。


「右腕に隙があると思った? そりゃそうさ、わざと斬らせたんだから!」


 鬼麿が足元の右前腕部を左手で拾い上げる。


 無法丸に右腕を見せつけた。


「これをどうすると思う?」


 鬼麿の持つ右手が、いきなり手を開き、爪をむき出す。


「こうするのさ!!」


 鬼麿が右手を無法丸に投げつけた。


 無法丸の刀が爪を弾き返す。


 が。


 弾かれた右腕が地に落ちず、そのまま空中を飛び、再び猛然と無法丸に襲いかかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ