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武龍伝  作者: もんじろう
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9

 空怪がぼさぼさ頭の忍び、飛刃に指図した。


 突然の曲者たちの出現に度肝を抜かれていた侍たちが、ようやく気を取り直した。


「であえ! であえ! 曲者じゃ!」


 口々に大声を上げると腰の刀を抜き、曲者の先頭である飛刃へと斬りかかった。


「早うせぬか、飛刃!!」


 空怪が叫ぶ。


「慌てるな、空怪」


 飛刃が笑った。


「もう投げておる」


 飛刃がそう言うのと、突如、四人の侍たちの側面から飛来した何かが、彼らの首筋を次々と切断するのが同時であった。


 四人の護衛は全員倒れ、動かなくなった。


 侍たちの命を奪った武器、くの字型の脇差しほどの大きさの刃物が空中を旋回し、飛刃の右手の人差し指と中指の間で受け止められた。


「くくく」


 飛刃が笑った。


「この刃は俺が狙った場所へ寸分違わず飛んでいく」


 よく見れば、飛刃の腰には同じ形の刃が、他にも何本も束ねて吊ら下げられている。


「竜丸を捕らえよ」


 空怪が命じると、飛刃以外の忍びたちが刀を手に竜丸へと近づいた。


 すると侍たちの死に、揃って怯えていたかに見えた四人の侍女たちの一人が、さっと前へと飛びだした。


 侍女は懐刀を取り出すと、竜丸に迫った忍びの先頭をあっという間に斬り捨てた。


 思わぬ不意討ちを受けた残りの忍びたちの動きが止まる。


 侍女は自らの背後に蜜柑と竜丸を(かば)った。

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