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　確かに蛇美羅は恐ろしいほど力を増した。

　しかし、それゆえに己を過信した。

　二刀を受け止める力を持ったがために、まずは受け、それから反撃へ転じようという縛りを自らに与えてしまった。

　隼人は逆に、その蛇美羅の力を利用した。

　そして、腕丸戦とは違う道筋より、この技にたどり着いたのである。

　腕力の有利を盾に柔軟な発想を無くした者と、不利ながらも決して勝利を諦めず未踏の活路を模索した者の差が、今まさにそこに顕現(けんげん)した。

　絶対的な有利になると確信していた状況からの、この結末に蛇美羅は呆然となった。

　ただ、わけも分からず驚き、立ち尽くした。

「俺流、バツ斬・裏！！」

　斜め左右上方より、一気に振り下ろされた二刀に、蛇美羅の身体が斬られた。

「がはっ！！」

　血を撒き散らし、うめきつつ、蛇美羅が倒れる。

　隼人が二刀を鞘に納めた。

「俺の勝ちだぜ！！」

　隼人の前で、うつ伏せに倒れた蛇美羅。

　しかし、次の瞬間。