77
さすがに恥ずかしさから、大事なところは両手で隠している。
「竜丸!!」
夜叉姫が怒鳴った。
「何故、隠す!! 手をどけよ!!」
「!!」
竜丸の全身は羞恥で真っ赤になった。
しばらく後、竜丸は全てを夜叉姫へと晒した。
心臓は早鐘の如く鳴り、顔は火が出たように熱い。
「ふーむ」
夜叉姫が座ったまま、竜丸の身体をまじまじと観察する。
「これが竜丸か」
あまりの恥ずかしさに竜丸は眼をつぶった。
「竜丸!!」
夜叉姫が再び怒鳴った。
「眼を開けて、わらわを見よ!!」
(ああ…)
竜丸は夜叉姫の言葉に従った。
夜叉姫が、じっとこちらを見つめている。
「何故、こんなことをすると思う?」
恥ずかしさで口を開けぬ竜丸は、首を横に振るのが精一杯だった。
「ここも」
夜叉姫が竜丸の顔を指す。
「ここも」
今度は竜丸の股間を指す。
「ここも」
竜丸の胸、心臓を指した。
「全てわらわの物なのじゃ。だから、ちゃんと見ておきたかった。竜丸は、この夜叉姫の物!! 誰にもやらぬ!! 誰にも触れさせぬ!! わらわだけが竜丸を自由に出来るのじゃ!!」
羞恥で赤くなった竜丸の顔とは違い、熱弁のあまり顔が赤くなった夜叉姫は、ばっと立ち上がり、竜丸へとやおら抱きついた。
驚いた竜丸は後ろに倒れそうになったが、かろうじて踏ん張った。
夜叉姫の顔が竜丸の顔の横にある。