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武龍伝  作者: もんじろう
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 さすがに恥ずかしさから、大事なところは両手で隠している。


「竜丸!!」


 夜叉姫が怒鳴った。


「何故、隠す!! 手をどけよ!!」


「!!」


 竜丸の全身は羞恥(しゅうち)で真っ赤になった。


 しばらく後、竜丸は全てを夜叉姫へと晒した。


 心臓は早鐘の如く鳴り、顔は火が出たように熱い。


「ふーむ」


 夜叉姫が座ったまま、竜丸の身体をまじまじと観察する。


「これが竜丸か」


 あまりの恥ずかしさに竜丸は眼をつぶった。


「竜丸!!」


 夜叉姫が再び怒鳴った。


「眼を開けて、わらわを見よ!!」


(ああ…)


 竜丸は夜叉姫の言葉に従った。


 夜叉姫が、じっとこちらを見つめている。


「何故、こんなことをすると思う?」


 恥ずかしさで口を開けぬ竜丸は、首を横に振るのが精一杯だった。


「ここも」


 夜叉姫が竜丸の顔を指す。


「ここも」


 今度は竜丸の股間を指す。


「ここも」


 竜丸の胸、心臓を指した。


「全てわらわの物なのじゃ。だから、ちゃんと見ておきたかった。竜丸は、この夜叉姫の物!! 誰にもやらぬ!! 誰にも触れさせぬ!! わらわだけが竜丸を自由に出来るのじゃ!!」


 羞恥で赤くなった竜丸の顔とは違い、熱弁のあまり顔が赤くなった夜叉姫は、ばっと立ち上がり、竜丸へとやおら抱きついた。


 驚いた竜丸は後ろに倒れそうになったが、かろうじて踏ん張った。


 夜叉姫の顔が竜丸の顔の横にある。

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