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武龍伝  作者: もんじろう
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「笑うな、鬼麿(おにまろ)!」


 化彦が怒る。


「だって」


 鬼麿が鈴の音の鳴るような、かわいらしい声で再び笑った。


「意味のない心配をしているからさ」


「何!?」と化彦。


「狂虎様には、もう僕が報せたよ。『化彦が針蔵を殺されたのに、尻尾を巻いて逃げ戻りました』ってね」


「げぇっ!!」


 化彦が青ざめた。


「鬼麿…よくも…」


「狂虎様は、その男と女を確実に殺せと仰せだよ。大仕事の前には、どんな小さな邪魔者も許してはならないと。これをしくじれば」


 鬼麿が楽しそうに言う。


「化彦は命が無いね」


「ぐぐ…」


 歯噛みする化彦。


「おい」


 牙狼が地面から、二人に声をかけた。


「何だよ?」と鬼麿。


「もうひとつ臭いがする…何だ…これは!?」


「どうした?」


 鬼麿が問う。


 牙狼は自分の鼻が信じられないのか、何度も地面を嗅いだ。


 二人に顔を向ける。


「狂虎様の匂いに似ている…」


「はあ?」


 驚いた後、鬼麿がはじけるように笑いだした。

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