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武龍伝  作者: もんじろう
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 針蔵の死体の側に、その男たちは立っていた。


 一人は化彦だ。


 いったん退いた化彦が仲間を伴って再び、この場所へと帰ってきたのだった。


牙狼(きばろう)、どうだ?」


 化彦が地面に四つん這いになっている男に訊いた。


「ああ。二人、居るな。男と女だ」


 地に伏した男、牙狼が答える。


 牙狼の容姿は人の形ではあるが、全身に灰色の毛がびっしりと生え、尻には尾、顔は完全に狼のそれであった。


 くんくんと鼻を動かしている。


「追えるか?」と化彦。


「ああ、今のところはな。雨が降らなけりゃ余裕だ」


 牙狼の答えに化彦は胸を撫で下ろした。


 それから急に不安になったのか「この不始末は狂虎様には黙っていてくれ」と泣き言を言い始めた。


「ははは」


 化彦の隣に立つ、美しい少年が笑った。


 十代半ばほどか。


 深緑の一昔前の意匠の装束を着て、同じ色の薄布を両手で持ち、頭の上で被っている。


 腰には刀が無いが、侍の風体ではあった。

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