表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
武龍伝  作者: もんじろう
44/204

44

 静香は、はね飛ばした白帯の首に眼を向けた。


 ない。


 白帯の巻いていた包帯があるのみで、首がない。


 静香が首なしの身体の方へと視線を移す。


 今度は着物と刀と包帯だけが残っている。


 白帯の死体が忽然(こつぜん)と消えている。


「ふ」


 静香が鼻で笑った。


 周りを見回すと五人の忍びの姿も無い。


 どうやら逃げたようだ。


 静香は刀を鞘に納めた。


 座り込み、かわいらしい瞳を大きく見開いて戦いの顛末を見守っていた桜の前に立つ。


「お前が『門鐘の巫女』桜だな」


 問うたのではない。


 断定である。


「紫雲様ですか!?」


 桜が言った。


 静香を神官の長が言った剣豪「紫雲」だと思ったのだ。


「紫雲?」


 静香が首を傾げた。


「え? す、すみません、人違いですね」


 桜が顔を赤らめる。


「助けていただき、ありがとうございます」


 静香の口の右側が、少しだけ上がった。


「私はお前を助けるために来た」


「ええ!?」


 桜が驚く。


「それはいったい?」


「まずは」


 静香は桜の問いを無視した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ