表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
武龍伝  作者: もんじろう
43/204

43

 静香は左腰の刀の柄に右手を置いて上半身を左へと、ひねった。


 静香からは白帯の姿が見えない形になる。


「むう」


 白帯が(うな)った。


 静香の構えは一見、無防備だ。


 しかし、こちらに背を向けた静香の殺気は、どろどろと渦巻き、白帯の身体にまとわりついてくる。


 これは隙などではない。


 罠だ。


 死の罠なのだ。


 白帯は微かに震えた。


 狂虎様より魔力を賜った自分が怯えるなど、あってはならぬこと。


 そう思った。


「死ねーーーっ!!」


 恐れを振り払うかのように雄叫びを上げた白帯が、静香へと斬りかかった。


 刹那。


 静香の双眸が、かっと開き、強烈な青い光を放つ。


 静香のひねられた上半身が元に戻りながら、腰の刀を鞘走らせる。


 すさまじい速さであった。


 白帯の刀が静香に届くよりも先に、その包帯を巻いた首が、はねられた。


 刀を落とし、白帯が倒れる。


「?」


 静香の顔が、やや曇った。


 妙な手応えであった。


 自分の持つ刀の刃を見る。


 血ではなく茶色い汁が付いている。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ