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武龍伝  作者: もんじろう
25/204

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 竜丸の頭を掴み、無理矢理に下げさせる。


「は、ははっ! 思わぬ邪魔が入りましたもので!」


 空怪が脂汗をかき、畳に額を擦りつけ、盛大に許しを乞うた。


「む」


 仮面侍が、何かに気づいた。


「空怪、手下はどうした? 飛刃と腕丸は?」


「そ、それが実は…」


 空怪が、あわあわと必死に事の顛末(てんまつ)を語り出す。


 最初は怪訝(けげん)な表情だった仮面侍の顔が、話が進む毎に露出している部分が赤らみ、覗いている両眼が激しい怒りにぎらぎらと輝き、さらに血走った。


「おのれっ!!」


 仮面侍が大喝(だいかつ)した。


 まるで猛獣の如き大音声だ。


「たかだか小娘一人と小童一人に不覚をとったと申すのか!?」


 仮面侍が、さっと立ち上がり、空怪へと突進した。


 右脚で空怪の右肩を蹴り飛ばす。


 空怪といっしょに竜丸も後ろへ、ごろんとひっくり返った。


 仮面侍が腰の刀に手をかける。


「お前に、わしに仕える資格はない! 斬り殺してくれる!」


 竜丸は見下ろす仮面侍の狂おしい双眸に、生々しい殺意を見た。


 次の瞬間には、本当に空怪が斬られると思った。


 そして、その次は自分の番なのだろうか?


 竜丸の顔から、みるみる血の気が引いた。


「待て、狂虎」


 上座の侍が声を発した。


「その子供は誰じゃ?」


 仮面侍の動きが止まった。


 すかさず侍に対して平伏し、口を開く。

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