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武龍伝  作者: もんじろう
24/204

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 灯りに照らされた広々とした部屋には、数人が居るのが見えた。


 まずは上座にどっしりと座り込んだ神経質そうな一人の侍。


 (よわい)は四十ほどか。


 さぞ、()が張りそうな美しい仕立ての着物に身を包んでいる。


 侍の横には若い太刀持ちの小姓。


 何かのときに中央の侍を守る役目と思われる、体格が良い六人の侍たちが左右に三人ずつ控えていた。


 空怪の立つ場所と上座の侍の丁度、中間の位置にどちらも見渡せる形で鎮座する男が居る。


 侍姿で中年ではあるが…両眼の辺りを隠す黒い仮面が、年齢を分かりにくくしている。


 仮面の外を見通せるように空けた穴から、血走った双眸が竜丸をにらみつけた。


 そのあまりに強く、狂気さえ感じさせる眼力に竜丸は、ぞくりと全身が震え、泣きそうになった。


「遅いぞ、空怪!!」


 仮面侍が叱責(しっせき)した。


 恐ろしい迫力であった。


 空怪は素早く自らの履き物を脱ぎ、竜丸のものも脱がせると、その場に倒れるように平伏した。

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