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左右四本ずつ、全ての刀を跳ね返され、腕丸は体勢を崩し無防備な姿を晒す。
左右斜め上へと駆け抜けた隼人の二刀はそこで手首を返し、内側へと向けられた。
「俺流、バツ斬・裏!!」
隼人が再び吼える。
今度は先ほどと逆の軌道で、二刀が高速で振り下ろされた。
「ぐはっ!!」
胴をバツの字に斬られた腕丸が、八本の刀を全て落とす。
「う、嘘だ…」
そう言って、ゆっくりとくずおれた。
腕丸は死んだ。
「強い!」
蜜柑が驚嘆した。
「そりゃ、そうさ」
隣の春馬が得意気に言った。
右手の人差し指を横にして、鼻の下を擦る。
「何たって、隼人はあの『大剣豪』美剣の孫なんだから」
「やめろ、春馬!!」
隼人が言った。
蜜柑と春馬、二人に向けた顔が険しい。
「俺は死んだじじいとは関係ない。俺は俺流! 美剣隼人だぜ!!」
そう言った後、にかっと笑った。
「あ!」
蜜柑が突如、声をあげた。
一大事に、ようやく気づいたからだ。