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「もう少しのところを邪魔しおって!」
ようやく腕丸が威勢を取り戻した。
「小童、覚悟は良いか!? 八つ裂きにしてくれる!!」
八本の腕で八本の刀を構えた。
隼人は動じない。
ぺろりと唇を舐めた。
両脚を開き、腰を沈める。
居合いの構えだが、隼人の刀は二刀。
左右の手が交差し、右手は左腰の刀を左手は右腰の刀を掴んでいる。
「さあ、来いよ、八本腕」
隼人が言った。
早く斬り合いたくて、堪らない。
そんな口振りだ。
「俺の二刀が、お前を倒すぜ」
隼人と腕丸。
二人の殺気が渦となり、空気が張り詰める。
「ほざくな、小童!!」
怒号と同時に腕丸の八本の腕が、八本の刀を振るった。
速い。
全ての刀が隼人へと向かう。
隼人も二刀を抜いた。
腕丸より、さらに速い。
「俺流、バツ斬り!!」
隼人が吼える。
鞘走った二刀は、うなりをあげ遡り、恐ろしい強さで腕丸の刀を下から順に次々と弾き返した。
「ひっ!!」
腕丸が怯む。