表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
武龍伝  作者: もんじろう
201/204

201

 ただ、悲しそうな表情をするのみ。


 次に美剣は奇妙斎に「紫雲!」と声をかけた。


 桜と笑い合っていた奇妙斎が慌てた。


「みっちゃん! その名前は駄目じゃって!」


「達者で暮らせよ! まだ、こっちに来るのは早いぞ」


「言われんでも長生きするわい! 秘訣は眼福じゃ」


 奇妙斎が桜の豊かな胸を細目で、じろじろ見る。


「きゃーーーっ!!」


 桜が叫ぶ。


 びんたの音と共に奇妙斎が吹っ飛んだ。


「みっちゃん、わし今、死ぬかもーーーーっ!!」


 美剣が苦笑し、蜜柑に視線を戻した。


「では、姫。わしを解き放ってくれ。あの世に戻るとする」


「ありがとう、隼人のおじいちゃん」


 蜜柑が美剣と自分の繋がりを解いた。


 美剣が白煙に変わる。


「隼人。己を磨け」


「うるせー!!」


 美剣の姿は次第に崩れ、消えて無くなった。


「さあ」


 隼人が言った。


「俺も武者修行の旅に戻るかな」


「ええ!?」


 春馬が大声を出す。


「おじいさんに言われたから?」


「ちげーよ!!」


 隼人が口を尖らせる。


「元々、武者修行の途中だったろ?」


「そ、そか」


 春馬が口ごもった。


「二人とも一度、ボクたちといっしょに小諸城へ来て。お礼もしたいから」


 蜜柑が言った。


 その視線は隼人から春馬に移り、そこで止まった。


 不安げに見つめる。


 春馬も蜜柑を見つめ返した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ