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武龍伝  作者: もんじろう
20/204

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 少年剣士の言葉に答えた者が居る。


 蜜柑の奥襟を引っ張った人物だ。


 蜜柑はすぐ側に立つ、その者を見た。


 これもまた少年である。


 こちらは少年剣士より年下、蜜柑と同じくらいの年齢か。


 侍姿で前髪付き。


 紐で固定する眼鏡をしている。


 色白で小柄であった。


 背中に蜜柑が見たこともない四角い箱のような物を背負っている。


 箱の両脇から出た革帯に両腕を通し、固定しているのだ。


 蜜柑の視線に春馬と呼ばれた少年が気づいた。


「あ、これはね」と微笑む。


「『バックパック』という物で、僕の師匠がくれたんだ。とても便利な」


「ちょっと!!」


 蜜柑が春馬の言葉を遮った。


「そんなことより、あの者が危ない!」


 蜜柑が少年剣士を指す。


「ああ」


 春馬が「そんなことか」という風に答えた。


隼人(はやと)なら大丈夫。めちゃくちゃ強いから」


「馬鹿! 相手は腕が八本あるんだよ!」


 蜜柑は慌てていた。


 虎然の六本腕でも防げなかった腕丸の斬撃を二刀流とはいえ、隼人なる少年剣士がどうやって攻略すると言うのか?


 蜜柑は再び、前へと踏み出そうとした。


 春馬の手が蜜柑の腕を掴み、それを引き止める。


「黙って見てて。隼人なら相手の刀が十本だって平気だから」


 そう言って、春馬は大きく頷いて見せた。


「でも…」と蜜柑。

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