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武龍伝  作者: もんじろう
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2

 骨だ。


 次々と勢い良く飛び出す無数の骨が、次第に繋がって形を成していく。


 あっという間に、少年の前には頭がない人間の骨が立っていた。


 少年の右手が今度は人骨へと向けられる。


 人骨の周りに血管が現れ、臓器が造られていく。


 続いて、肉が戻る。


 少年の前に立つのは今や、首なしの人骨ではない。


 裸の女の、すらりとした青ざめた身体であった。


「首を拾え」


 少年が首なしの女に言った。


 女の身体が(ひざ)を折り、地面へと両手を下げる。


 女の両手は地面にぶつかり、そのまま、まるで水面のように通り抜けた。


 両手が引き上げられる。


 両手に掴まれた、女の生首が現れた。


 黒色の長髪。


 細面(ほそおもて)の美しい顔である。


 両眼は閉じられている。


 二十代前半ほどか。


 首なしの身体が頭を持ち上げ、首の上に乗せた。


 頭と首が繋がった。


 切断されていた部分が、線状の傷痕として残る。


 ここに美しい一人の若い女の死体が完成した。


 否。


 ただの死体ではない。


 女が、かっと両眼を見開いた。

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