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武龍伝  作者: もんじろう
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 信虎の左肩の三本の甲虫脚がシェルを空中で叩く。


 炎が噴出し、脚を焼いた。


 もちろん、隼人には被害が及ばぬよう計算された量である。


小賢(こざか)しい!!」


 信虎が怒鳴る。


 シェルにより注意を削がれた信虎の刀を隼人が押し返す。


 その隙に蜜柑の頭上の煙は、すさまじく体格の良い老人へと姿を変えていた。


「そなたの名は!?」


 蜜柑が問うた。


「『大剣豪』美剣!!」


 煙の老人の答えに、蜜柑に背を向けた状態の隼人が反応した。


「この声は、じじい!?」


 死人侍と戦っている無法丸も「大剣豪」美剣に眼をやった。


「あれは…」


 何やら複雑な表情になる。


 美剣が奇妙斎に気づいた。


「おお、『紫雲(しうん)』ではないか!! 久しいな!!」


 奇妙斎が、ばつの悪そうな顔になった。


 口に指を一本立てて、しーっとする。


「みっちゃん、わしは今、奇妙斎なんじゃよ!」


「ええ!?」


 桜が思わず声を上げる。


「神官長様が仰られていた『紫雲』様は、奇妙斎様だったのですか!?」


 死人侍の攻撃をいなしながら、奇妙斎が桜にも、しーっとする。


「かわいいお嬢さん! 秘密じゃよ、秘密!!」


「ボクに力を貸して!!」


 蜜柑の大音声。


「おう、不肖の孫の窮地と知って駆けつけた!!」


 美剣が割れんばかりの大声で答える。


「じじいの助けなんか、要らねえ!!」


 隼人が叫ぶ。

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