表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
武龍伝  作者: もんじろう
181/204

181

「姉様」


 竜丸の瞳から涙が、こぼれた。


「やりました、姉様。この竜丸、何とか日の本と妻を守りきりました」


「妻」の意味は、よく分からないが、弟の言葉に蜜柑も涙を流し、何度も頷く。


「よくやった。よくやったよ、竜丸」


 大広間の最も奥に伏せた信虎。


 そして中央に静香、隼人、無法丸、奇妙斎と斬り結ぶ六人の死人侍。


 入口側に蜜柑と春馬、竜丸と夜叉姫、陽炎、三人の巫女という位置取りとなった。


「おーのーれー、このごみ虫どもめがっ!!」


 信虎の怒りが爆発した。


「よくも、わしの天下獲りの邪魔をしてくれたな!! 竜丸の身体を乗っ取らずに…このままの姿で天下を獲れるならば…いや、しかし、それでは…」


 信虎が首を横に振る。


「ここまで、わしが積み上げてきた努力を全てご破算にしおって…今一度、策を練り直し、再び天下獲りに乗り出さねば…だが!!」


 信虎は敵全員を順に、火が出るような双眸でにらみつけた。


「お前たちには全員、むごたらしい死を与えてやる!! そうせずば、この信虎の気が収まらぬ!! 皆殺しにしてくれるわ!!」


 腰の刀を抜いた信虎が、憤怒の表情で蜜柑たちの方に踏みだす。


「待て、狂虎!!」


 静香が怒鳴り、信虎に近づこうとするが、二人の死人侍に阻まれる。


「どけい、死人めが!!」


 静香が、自らも死人であるのを忘れ激怒した。


 このとき、戦いの隙間を上手くすり抜け、信虎の前へと出た者が居た。


 隼人である。


「お前は俺が倒す!!」


 隼人が吼えた。


 信虎が足を止める。


「小僧っ!! お前から死にたいか!!」


 信虎の大音声。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ