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虎然は飛刃の刃を二枚ずつ重ね、左右三組の両腕で力任せに、ねじり折った。
すさまじき怪力であった。
「供養、供養! 刀供養じゃ!!」
虎然が歓喜の声をあげる。
蜜柑の歩みは止まらない。
竜丸を抱えた空怪へと突き進む。
「ひひひひひっ!!」
突如、男の笑い声が響いた。
空怪の隣に立つ腕丸である。
「六本!! 六本だと!!」
興奮のあまり腕丸の両眼が、てらてらと輝いていた。
すすっと蜜柑と空怪の間に立ち塞がる。
「狂虎様より魔力を賜った、この腕丸が相手してやろう」
にやにやと笑った。
「六本!! ひひひ、六本!!」
楽しそうに連呼する。
蜜柑はそんな新手の敵も、意に介さない。
腕丸に向かって前進していく。
「小娘、勝負!!」
腕丸が叫ぶ。
腕丸の長く垂れ下がった袖が開き、そこから。
八本の刀が飛び出した。
あろうことか、腕丸には左右四本ずつ、八本の腕が生えていたのだ。
「ひひひっ!! 六本っ!!」




