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武龍伝  作者: もんじろう
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 竜丸の身体を乗っ取っている以上は、よもや攻撃は受けないが、何やら狙いがありそうな陽炎たちの動きに一抹の不安を感じた。


「空怪!!」


 呼ばわった。


「はっ!!」


 空怪が陽炎を錫杖(しゃくじょう)で殴り殺そうと迫る。


 無法丸の刀が、きらめいた。


「ぐはっ!!」


 一瞬で斬り伏せられた空怪が胸から血しぶきを上げ、どうっと倒れる。


 無法丸は前に出て、信虎の視界から陽炎の姿を隠した。


「何をしておる! わしを守れ!」


 信虎の怒号で、奇妙斎と戦っていた死人侍の一人が、無法丸たちへと向かっていく。


 邪魔されるより早く、無法丸は信虎に斬りかかった。


 もちろん、殺すつもりの一撃ではない。


 信虎はかろうじて、それをかわした。


 やはり竜丸の身体では勝手が違うのか、動きがぎこちない。


 突如、信虎の周りが暗くなった。


 無法丸の背後から、その頭を跳び越えてきた陽炎の影が、信虎に重なったのだ。


 きりもみしながら信虎の頭上へと降りてくる。


 陽炎が武器を持たない左手で、懐の首飾りを取り出し、信虎に投げつけた。


「魔祓いの石」が付けられた首飾りは、狙い通り寸分の誤差もなく、信虎の首へと、すっぽり収まった。


 刹那。


 ばちばちとすさまじい光が首飾りから発生するや、信虎の身体から黒い煙が勢いよく噴出した。


「ぎゃああああっ!!」

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