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武龍伝  作者: もんじろう
153/204

153

「おのれっ!!」


 静香が吼えた。


 刀を鞘に戻し、上体をひねる。


 恐ろしく速い動き。


 奇妙斎が自らの背後に居る桜を突き飛ばす。


「きゃっ!!」


 桜が悲鳴をあげる。


 刹那。


 静香の身体のひねりが放たれ、神速の居合いの刃が疾った。


 静香の双眸が、さらに輝く。


「きえぇぇぇいっ!!」


 静香の刀は、しかし。


 何者も(とら)えなかった。


 振り切った刀身の最も先端部に。


 奇妙斎が居た。


 まるで体重が消失したかのように、木の葉の如く、刃に乗っている。


 静香は唖然とした。


(この老いぼれ!! これほどの実力を隠していたのか!!)


「あまり年寄りに無理をさせるもんじゃないぞ」


 奇妙斎が言った。


 静香が刀を引く。


 と、同時に奇妙斎が、ぽーんと横へ跳んだ。


 静香も、すぐさま後を追う。


 再び静香が納めた刀を抜き打とうとした、そのとき。


「待ていっ!! 静香っ!!」


 小柄な奇妙斎から出たとは思えぬほどの大喝(だいかつ)であった。


 奇妙斎の気迫に、思わず静香が止まる。

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