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蛇美羅に受け止められていた二刀を外側へと回し、自分の胸の前に動かした。
蛇美羅は全く反応できない。
「俺流、真覇突き!!」
隼人の二刀が蛇美羅の胸へと稲妻の速さで突き込まれた。
「ぎゃああああっ!!」
蛇美羅の断末魔。
二歩、後ろに退がり、回りながら倒れた。
蛇美羅の動かぬ様子を二人の少年が見つめる。
寒さによって、その不死身の魔力は封じられ、発現しなかった。
蛇美羅は死んだ。
「よっしゃーーーっ!!」
隼人が咆哮する。
春馬が隼人に近づく。
二人はお互いの右手を挙げ、ぱちんっと叩き合った。
「春馬! 隼人!」
蜜柑が二人に駆け寄る。
三人は肩を組み、勝利を喜び合った。
「春馬、さっきの球は?」と隼人。
春馬が氷柱の説明をした。
「あの人は」
春馬が蛇美羅の死体を指す。
「完全に蛇…爬虫類の特徴を持っていた。だから寒さに弱いんじゃないかと推理したんだ。こんなに上手くいくとは思わなかったけど」