表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
武龍伝  作者: もんじろう
14/204

14

 蜜柑の姿は見えなくなり、ゆらゆらと歪んでいた空間が元に戻っていく。


 庭には蛍火と怯えきった三人の侍女、そして今さらながらやって来た城兵たちが残された。




 歪んだ空間を抜けた先は木々の立ち並ぶ山道であった。


 すでに陽は落ち、辺りは薄闇に包まれている。


 蜜柑の足元には土を山盛りにした、にわか造りの墓のようなものがあった。


(竜丸は!?)


 辺りを見回す。


 居た。


 空怪に抱き抱えられた竜丸が、やや離れた前方に立っている。


 そもそもが蜜柑にはその強い霊力によって、どれだけ離れようとも竜丸の居場所が感じとれるのだ。


「おい、小娘もついて来ているぞ!」


 空怪の前に立つ飛刃が呆れた。


「早く飛べ、空怪」と飛刃。


「馬鹿を言うな」


 空怪が気色ばんだ。


「続けてすぐに扉は(ひら)けぬ。しばらく待て」


「誰だ、その娘は?」


 蜜柑は新手の男の声に気づいた。


 飛刃の後方、空怪の隣にひょろりとした男が立っている。


 三十代半ば程の浪人風の男だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ