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武龍伝  作者: もんじろう
129/204

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 二人に付いた侍女たちは夜叉姫の勘気(かんき)を恐れ、天守閣の中で控えている。


 丁度、死角になっているのか、女たちは何も言わなかった。


 竜丸の唇が夜叉姫の唇に、あと少しで触れるところまできた。


「竜丸…」


 夜叉姫が小さな声で言った。


 二人は唇を重ねた。


 しばらく後、顔を離した竜丸に夜叉姫が真っ赤になって囁いた。


「このことは誰にも内緒じゃぞ」




「げほげほ!」


 蜜柑と隼人は咳き込んだ。


 春馬が集めてきた得体の知れない草や葉をもやし、大量の煙を発生させているためであった。


 場所は虹丸と澪の小屋から、さらに上流。


 三人は分かってはいないが、鬼道城へと続く道である。


 虹丸と澪は三人のせいで襲われたのにもかかわらず、文句のひとつも言わず、食べ物まで持たせ、見送ってくれた。


「また、いつでもおいで」


 澪は、そう言って満面の笑みを浮かべた。


 虹丸も言葉は発さないが頷いている。


 三人は心の底から二人に感謝し、再び旅へと出発したのだった。

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