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引き絞りに絞られた静香の身体が放たれる。
跳び上がりながら、ひねられた上半身が元の位置へと戻っていく。
同時に腰の脇差しが、迅雷の疾さで撃ち出される。
拳法は見た。
自らに引導を渡す、美しき死神の顔を。
静香の斬撃は拳法の顔面を真っ二つに断ち割った。
血潮を撒き散らし、拳法は地に落ちた。
拳法は死んだ。
続いて静香が着地する。
「おーい!!」
静香の背後から呼びかける者が居る。
静香が振り返ると、奇妙斎が桜を抱えて、こちらへ走ってくる。
その後ろに五人の忍びの乗る巨大手裏剣が迫っていた。
「きれいな娘さん、何とかしてくれ!!」
奇妙斎が叫んだ。
その切迫した言葉とは裏腹に、口調には何やら余裕がある。
静香は奇妙斎たちの方へと身体を向けた。
奇妙斎が静香の横を走り抜ける。
静香が、拳法が落とした長刀を拾う。
静香へ巨大手裏剣が突っ込んだ。
静香が跳ぶ。
手裏剣に乗った五人の頭上に出た静香の身体が半転した。