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武龍伝  作者: もんじろう
110/204

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 もしも陽炎を追跡している敵が居るとするなら、急がねばならない。


 そして、無法丸の後方からは鬼麿が追ってくる可能性が強い。


 山道はなだらかに下り、やや大きめの道と合流した。


 無法丸が、そこにさしかかったところで。


「良かった、無事で」


 陽炎の声がした。


 横合いから忍び装束の陽炎が現れた。


 無法丸は、ほっとした表情を見せた。


 ともかくも、別々に襲われる危機は去った。


「敵が後を追ってくる」


 無法丸が言った。


「早く行こう」


「ええ」


 陽炎が頷く。


 だが、動かない。


 妙な沈黙が流れた。


 無法丸が陽炎の瞳を見つめる。


「どうした? お前が先導してくれ」


「ああ…」


 陽炎が眼を細めた。


「少し脚を痛めてしまって…」


「そうか」


 無法丸が陽炎の横を過ぎ、背中を見せる。


 しゃがみ込んだ。


「おぶってやる」


「ありがとう」


 そう言った陽炎の顔は、にやにやと笑っていた。


 懐から小刀を取り出し、無法丸へと近づく。


 小刀を振り上げた。

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