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武龍伝  作者: もんじろう
106/204

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 そこには包帯と着物と刀のみで、先ほどまであったはずの死体が消えていた。


「そんな馬鹿な!?」


 そう言って春馬が駆け寄った。


 地面や刀をつぶさに調べる。


 刀に付着している茶色の汁をまじまじと見つめた。


「これは…ひょっとして…」


 春馬は座ったまま、ぶつぶつと何かを呟き始めた。


「おーい!!」


 突然、川の向こう側から呼ぶ声がした。


「あ、隼人!!」


 蜜柑が気づき、手を振る。


 林から出てきた隼人が両手を振りながら、こちらへと走ってくるのが見えた。




 鬼道城の、ある一室。


 一人の男が落ち着かない様子で、行ったり来たりを繰り返していた。


 狂虎である。


 室内は四方のろうそくの灯りで照らされ、狂虎の影がゆらゆらと揺れている。


 狂虎の下座には、空怪が控えていた。


「『門鍾の巫女』の最後の一人は、まだか?」


 狂虎が言った。


 苛立(いらだ)っている。


「はっ」


 空怪が頭を下げた。


「どうやら邪魔が入ったようでして」


「邪魔!?」


 狂虎の瞳が血走る。

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