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武龍伝  作者: もんじろう
101/204

101

 川に仕掛けた竹造りの罠に魚がかかっていないか、具合を見ている様子だ。


「あんた」


 女の声がして、小屋から大柄な女が出てきた。


 小柄な男の側に行き、「獲れたかね?」と話しかけている。


 蜜柑と春馬は眼を合わせて頷いた。


 ゆっくりと小屋へと歩きだす。


 男が二人に気づいた。


 竹かごを岸に上げ、大柄な女を背後に庇った。


 油断のない眼差しで蜜柑と春馬を見ている。


「あ、怪しい者ではありません」


 春馬が、敵意が無いと示すため両手を振って呼びかけた。


 蜜柑も精一杯の笑顔を作る。


 男は答えない。


 依然として眼が鋭い。


 後ろの女も不安げだ。


「じ、実は僕たち、何も食べてなくて」


 春馬が言った。


「その…何でも良いので食べる物を分けてもらえたらなー、なんて」


 そう言って、春馬がにこにこしたところで。


 蜜柑の腹が盛大な音を立てて鳴り響いた。


 蜜柑が真っ赤になる。


「あははは!」


 大柄な女が大笑いした。


 そして、男にこう言った。


「じゃあ、ご飯にするかねぇ。ねえ、あんた」




 小屋に住む夫婦は虹丸(にじまる)(みお)と名乗った。


 二人は蜜柑と春馬を小屋へと招き入れ、串を打ち囲炉裏で焼いた魚と野菜の汁物を振る舞った。


 一心不乱に食べる蜜柑と春馬を見て、澪は笑った。


「よっぽど腹が減ってたんだね。おかわりもあるから、たんとお食べ」

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