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望んでたのはコレジャナイ!  作者: 伊住茉莉
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プロローグ:始まりはゆるやかに

「んー!いい朝だ〜」


ベッドから上半身を起こして伸びをすると、そんな言葉がつい口から出た。私、佐野史華(さのふみか)は今日は20歳の誕生日だ。ハッピーバースデートゥーミー!とはいえ、祝ってくれる人はそんなにいないのだけれど。祝ってくれるのはせいぜい家族と地元の一部の友だちくらいなものだ。


私はいつも、ベッドボードの上の携帯を手に取ると、連絡が来ていないか確認する。その後に、ベッドから降りてその日の気分に合わせたお茶を飲む。それが私の朝のルーティンになっていた。


(今日はどうしよっかなぁ。せっかくの誕生日だけどなんか緑茶が飲みたいかも...)


そう思って、食器棚の1番下の段から緑茶のお茶っぱが入った缶を取り出した。急須にお茶っ葉を入れてスタンバイしてから、お湯を沸かす。お湯を沸かしている間に身支度を整える。大体、お湯が沸く頃には大方整っているので自分にあった時間配分なのかもしれない。

ピーっというけたたましい笛のような音が部屋に響き渡る。お湯が沸いたサインだ。

ベッド近くで出かける支度をしていた私は急いでお湯を沸かしているコンロの方に向かった。


「あちゃー、ちょっとこぼれちゃった。」


今日は支度に手間取っていたこともあり、火を止めるのが少し遅くなったせいで、お湯が少し吹きこぼれていた。それはあとで拭くことにして、先にお茶を入れることにした。急須にお湯を入れて30秒ほど蒸らしてから湯飲みにお茶を注ぐ。蒸らしてから入れる方法は、おばあちゃんから教わってからいつも実践している。


ぼーっとテレビを見ながらお茶を飲んでいると、テレビからは占いが流れ始めた。

やばい。今日は早く家を出なければいけないのに、それをすっかり忘れてぼーっとしてしまっていた。私が動き始めた頃には、テレビは星座占いのランキングが12位に差し掛かったところだった。少し気になってちらりと画面をうかがう。


(ああ、やっぱり12位ですよね!!!)


結果に落胆している暇もなく、急いで薄手のカーディガンを羽織ると大学用のカバンを引っ掴んで家を飛び出した。そしてアパートから坂を下りきったところで、私は気づいてしまった。家に忘れ物をした。よりによって今日の講義には絶対に必要なものを。


(本当にばか!誕生日なのに!朝からダメダメだ!)


急いで踵を返すとアパートに向かって走り始めた。

ギリギリに家を飛び出してきたので、今日ばっかりは〈見晴らしがいい高台にあるアパート〉の2階を借りた、大学1年生だった自分を恨んだ。アパートの前まで来た時点でもうへばっていたが、休憩する余裕はない。

休憩をせず走って来た勢いのまま、私はアパートの階段を急いで登りきった、はずだった。


最後の1段というところであろうことか踏み外してしまった。こうなったら地面へ真っ逆さま。


(あ、これ死ぬかも...?!)


そう思った時には、地面に強く体を打ち付けられていた。それと同時に私は意識を手放した。


11/14:誤字を訂正しました。

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