0.ファーストコンタクト
はじめての投稿となります。お手柔らかに
【リス】ネズミ目リス科に属する動物の総称
小さい姿からみんなから愛される動物と認識されているし、どことなく憎めない存在である。
しかし、その見た目に反して農作物を食い荒らす動物とも農業の人からは認識されている。
そう、リスは可愛らしいだけが取り合えだけではなく、以外と凶暴な面も持っている
-初夏 とある某所にて -
5月連休が終わり、お休み気分を切りかえて仕事に打ち込むベテラン社員もいれば、
なかなか切り替えができない新入社員もその中にもいる。
そんな中、橘立夏31歳連休明けからのたたかいが今まさに始まろうとしていた。
立夏が働いている会社は10人程度が働いている小さなWEB制作会社だ。
小さな会社だが、社長はとてもやさしく38歳と最近結婚したばかりか、やたら妻自慢がはいる愛妻家だ。
メンバーとしてはディレクター1人、デザイナー3人、プログラマー・コーダー3人にコピーライター1人、
そして立夏はそのうちの事務をこなしている。事務といっても簡単な見積書をつくったり、経費の計算、あとは社長の簡単なスケジュール管理などなど
ここのスタッフでは手の回らないことを立夏がすべてうけおっているのだ。それをかれこれ5年。
立夏の人生のなかでもかなり長く居続けている職場だ。この職場にたどりつくまで、3回の転職を経験しているがどれも長く続かなかった。
原因は自身でもわかっていた。対面恐怖症、いわゆるコミュ障だったのだ。そんな立夏を受け入れてくれたのが今の会社「スノーライト」だった。
雑務をこなし一通り落ち着いたところパソコンの画面を確認すると、
ちょうど11時30分。お店が開店をしまだ人がおしよせてない時間帯。
お昼時間になってきたので、早めのランチに行こうかと立夏は思い立ち他のメンバーを尻目にパソコンをスリープモードに切りかえ、席をたった。
「おひるいただきます。」
そう一声かえけるとだれも返事はなくみな仕事に集中していた。
いつもの風景に立夏はほくそほほえんでお昼のランチを思い浮かべた。
(さて、どこで食べようかな…。)
初夏のお昼下がり、やっと日常が戻って来たと立夏は実感した。
- 同時刻とある花屋 -
「いらっしゃいませ。お久しぶりです悦子さん。」
しっとりと艶のある声が店内に響き渡った。かけよると白髪の小柄な可愛らしい女性は朗らかな笑みをたたえた。
悦子は花屋からすこし離れているところに住んでいる。
近くのためよく訪れていたのだが、年が年のため入退院を近年くりかえしていた。
この時も1ヶ月の入院を経てやっと最近退院できたみたいで、通っていた花屋に挨拶に訪れたのだ。
「こんにちは、りっちゃん。お久しぶりね」
りっちゃんと呼ばれたこのスタッフ。
身長190センチあり、身体には均整のとれた引き締まった筋肉がついており、肌は白く、髪は栗色のすこしウェーブがかかっており柔らかくまとまっている。顔の造形も整っていた。
その整った顔にノンフレームの眼鏡がより引き立てているかのようだ。
そう、この男見た目が整い過ぎており、どこのぞのモデルより美形なのである。
街に繰り出せば絶対に女性が振り向くのはしかり、モデルの勧誘、ホストの勧誘、はたまた芸能プロダクションから声をかけてくるだろう
立花律。
それが彼の名前、またこの花屋の店長である。
立花は、悦子に駆け寄ると、店の入り口付近にある小さなベンチに座らせると
店の奥に踵を返し、数分後戻ってくると手には湯のみが握られており、その中身から香ばしいかおりを漂わせたほうじ茶が入れられていた。
「はい、熱いから気をつけてくださいね。」
「あらあら、すいませんね。ありがとう。」
悦子は渡された湯のみ口をふうふうとさましすすると、一息ついたのかそっと口を開いた。
「りっちゃんがいれてくるほうじ茶とても美味しいわ。」
「いえ、とんでもないですよ。そういえばまた入院されてたんですね。」
「そうなの、階段を登ってたら転んじゃって足を骨折しちゃったの。」
「え!足はもう大丈夫なんですか??」
「ええ、まだ完治はしてないのだけれどこれから毎週リハビリしないといけないのよ。大変。」
悦子は、ため息をつくとまた一口お茶に口をつけた。
「それは大変でしたね。ご主人はリハビリにつきそわれるんですか?」
「ええ、ああみえてやさしい人だから。顔は厳ついのにね。ふふ。」
悦子の夫である達夫は、元刑事でそのため顔つきがなかなか鋭い。
小さい子供には顔が恐すぎると泣かれ、刑事のくせに犯罪者として若い女性から通報をうけ
交番勤務にあたる警察官にもしばし同業者なのに注意をうけていた。
達夫は恐れられてもいたが、人望もあつく人気が高くよく慕われている刑事だったらしい。
しかも、達夫の趣味がその厳つい顔からは想像もできないような趣味があった。
それが「家事」である。悦子がいまもっている巾着袋も達夫の作品だ。
それはそれは可愛らしい悦子に似合っているウサギ柄の巾着袋を
その厳ついおっさんが縫っていると誰が想像できようか。
まぁ、そんなこんなで悦子のリハビリは達夫がつてくれるとのことなので、
立花は一安心とばかりに「そうなんですね、よかったです。」と一言いい、
悦子もこのあと用事があるらしく杖を付きながらしっかりとした足取りで立ち去った。
湯のみをかたずけ、店先にでようかとした時に店先から若い女性の声が聞こえてきた。
立花は、「はーい」と声をかけ急ぎ足で店先に顔をだした。
そこにはちいさなちいさなリスが店の前の花を物色していた。
リスいやもとい小柄、見た目からしてまだ20代ぐらいの顔立ちをしている
女性が立花に声をかけてきた。
「あ、すみません部屋に飾る花をさがしてるんですが、、、あの?」
立花と立夏の時間がかさなった瞬間だった。