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「よっ、どうだった?」
「んー、ここくらいまで分かったかな」
喉仏の辺りをトントンと叩いた。表情に悩みは感じられない。加地は少し笑顔になるとみんなの肩を押した。
「さっ、揃ったことですし行きましょ」
「サクラやる気だな」
「よしまずは私が相手してやろう!」
一回戦の相手は三条高校。
「私とクマが最初に出て次にセナくんで最後がサクラとユキちゃん。じゃっ、がんばっていこう!」
アナウンスがなるとそれぞれのグループが一斉に飛び込んで行った。
ステージは練習試合に近い、木々と大小様々な岩。
「ウラウラー!こっちから行くぞオラァ!」
ケンザンの試合は三秒で終わってしまったため何が起こったか分からなかった。
「・・クマさんの試合でも見ようか」
「そうね・・セナくんどうしたの?」
「たぶん呼ばれるかなって」
「両校次の方どうぞー」
余裕の面持ちで歩いて行った。
「セナくん見つけたのね」
「んー、いやたぶん違う」
「?」
クマの試合。
「よろしくな」
「こちらこそ」
相手は年上であるのとクマの体格を見て萎縮している。
「能力の試合には体格や年齢なんて関係ないさ。能力には相性ってのがあって君の求めてない力なんて与えられないんだよ。非力な人間に力を必要とする能力なんてありえないだろ?」
笑って相手を励ました。
「はい!ありがとうございます!」
肩の力が抜けて良い表情になった。
俺のためでもあるんだ。良い雰囲気になってきた、戦いの雰囲気だ。
「降参です」
声の主は隣だ。勇人が両手を挙げて今にも殴りかかってきそうな相手に言い放った。
「え・・?ああ、うん。そうか・・うん」
加地と雪城が頭を抱えた。剣山は腹を抱えて笑っていた。
声の聞こえていないクマの方は最高のモチベーションになっていた。自分が負けたらドッと勝率が下がるとも知らずに。
俺の体格に恐れたってことは遠距離型のようだな・・それにあの自信のなさは自分に能力に確実性がないからだろう、攻めたい所だが遠距離型への定石は・・。
クマは右手を腰の後ろ辺りに隠すように持っていった。
「先制あるのみ!」
相手は大岩を浮かせるとクマに向けて飛ばした。スピードは中々だ。
こちらが近接だと思わせないことだ。
「フン!」
受け止めた手から体毛が生えてくる。
「!?」
肌は完全に見えなくなり体格もさらに大きくなっている。本物の熊の姿だった。
「グオアアア」
声と共に岩を投げ飛ばした。そして素早く間合いを詰めると相手を一飲みにした。
「うげー、クマまじかよ」
クマが肩を回しながら歩いてきた。
「ふー完勝完勝」
「クマとんだ趣味してるのね」
「熊は四足歩行なの、爪で引っ掻いてたらやられちゃうね。俺ら全勝だから肩の力抜いてけよー」
クマがポンと肩を叩くと勇人は苦笑いした。
「次、俺らっす」
「はい」
「・・・え?」




