都古大学映像研究サークル 第53回青鈍祭展示用作品シナリオ 5
同時刻 都古大学
大学院棟付近
Aは、出入り口を睨む。
書類を手にして現れたC。
第一印象は、好青年。
意を決してA、Cに近づく。
A「Cさん、ですね?」
C「はい?」
C、怪訝な表情。
A「少し話が」
C「すみませんが、歩きながら」
歩き出す2人。
C「要件は何でしょうか」
A「オカルトじみた一連のパニック。あれ、あなたの仕業ですよね?」
Cは歩みを止め、Aの方を向く。
C「何の事で?」
A「同じ部活の後輩が吐いたんだ。あなたに指示されて噂や写真をばら撒いたって。
西大寺駅前のカメラ屋も、君がこの写真の現像を注文したって言っているんだ」
C「それで僕が犯人だって?馬鹿馬鹿しい。
いいでしょう。私が犯人だとして、その動機は?」
A「動機は、失恋相手への復讐」
その言葉が出た途端、能面のようにCの表情が消えた。
A「話によると、実行委員会の幹部に元カノがいるそうですね?そして、あなたは彼女から、ひどいフラれ方をした」
C「・・・」
A「あなたの目的は、ありもしない噂で不安をあおり、彼女が計画した青鈍祭をぶち壊す事。違いますか?」
C「ああ、そうだよ!」
唐突に叫ぶC
C「あの女がいけないんだ!俺をもてあそんだ挙句は、つまらないの一言でごみの様に捨てる。
そんな彼女が許せなかった!」
そう言って、しゃがみ込む。
A「まあ、あの女は同級生の間では有名な色情魔だ。
同情はするけどよ、お前のやってることは許せることじゃない。
すぐに噂を止めるんだ。そうしたら、全て、無かったことにするからさ」
すると笑い出すC
C「止める?こうなったら、力ずくでも邪魔してやる・・・あの女の顔を、切り刻んでやる!」
狂気の笑みを浮かべ、懐からカッターナイフを取り出す。
刃先がAに向けられ、距離を置く。
C「死にたくなければ、どけ!」
A「どかない!ここで止めなければ、君は本当の犯罪者になる!」
堰を切り、ナイフが振り上げられたその時、飛んできた何かが、Cの手に握られたナイフをはじき落とした。
手を押えうずくまるC。その正体を、Aは地面に見つけた。
A「タロットカード?」
下を見ると、Bが軽く手を振った。
Aも、タロットカードを掲げて見せた。
BはAの元に。
A「おかげで助かったぜ」
B「初めて、カードが役に立ったろ?」
A「違いない」
飢えた野良犬のような眼をするCに、Bは言った。
B「さっき、執行から連絡が入った。君の彼女は、3週間の停学処分を受けて、昨日から学校には来ていない」
C「え?」
B「とある部活の会計を寝取って、部費を不正に請求し私用に回していたんだ。執行が水面下で調査をして、やっと証拠を掴んだ。その部も、学生大会で言及されるだろう。
だから、君が手をかけることはなかったんだ。文化祭の時、彼女はいないのだから」
C「そんな・・・そんな・・・」
うずくまり嗚咽を漏らすCを、AとBは改めてみる。
ナレーション 「こうして今年の青鈍祭は、何事もなく開催されたのだった。
しかし、AとBは改めて思う。
本当に怖いのは心霊や都市伝説ではなく、それを生み出してしまう人間なのではないの
か、と」
3人をカメラで引きながら、フェードアウト。
FIN
改訂:役名が決定した。名前は以下の通り。
A―ダイスケ B―アヤノ C―ノノカワ
(最終改訂 9月6日)




