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あらすじ・登場人物・用語説明etc

 

 ・あらすじ


 妖怪や魔術が、完全に“空想の産物”とはなっていない21世紀初頭。

 ローマを観光中の日本人大学生 亜門大介あもんだいすけは、突如、妖怪に襲われる。

 そんな彼の危機を救ったのは、謎の少女 エリス・コルネッタ。

 彼女は、凶悪な妖怪や魔術師―Lashラッシュが起こす犯罪を制圧、解決するバチカン警察の特別捜査官であるが、それ以外にも秘密があった。

 妖怪たちの形成する社会構造体―幻想世界イリジネアで禁忌とされた、妖怪間の異種間配合、それによって生まれたハーフの子供たちと両親が、世界中で次々と殺された事件から唯一生還した4人の少女の1人だった。

 妖怪とも人間とも認められない彼女らは、こう呼ばれていた。

 混沌の乙姫おとめ―“カオス・プリンセス”

 異国の街での出会い。それは、彼の中に内包された事実さえも残酷に暴いていった。

 大介は、過去に遭遇した事故で、女性人魚 マーメイドの血を貰っていた。

 それによって力を得たと同時に、妖怪に命を狙われる存在となっていたのだった。 

 エリスは、大介の力を借りて、妖怪を倒す作戦を立て、それは見事に、成功した・・・。


 ローマを舞台とした妖怪との戦闘を終え、日本に帰国した大介だったが、新たな妖怪犯罪が、待ち受けていた。

 世界中で指名手配を受けていた妖怪が、日本に潜入した。

 その事件を担当していたのは、カオス・プリンセスの1人で、大介の幼なじみ 姉ケ崎あやめ。

 日本国内で起きる妖怪犯罪を捜査する、警察庁直属の組織 特殊犯罪対策係・・・通称 トクハンの刑事であり、神社の巫女という人物。

 そして、もう1人のカオス・プリンセスも現れた。

 FBI特別捜査官であり、2人の先輩 リオ・フォガート。

 さらに、エリスも、捜査に加わる。

 ローマの事件、それと同時刻に大阪で起きた妖怪犯罪の裏に、何者かが暗躍している可能性があるという・・・。

 奈良・大阪を舞台にした、日米伊合同の捜査劇。

 犯人は倒されたものの、大介の旧友と、その恋人が巻き込まれ、命を落としてしまう。

 その裏にも、やはり何者かの影。

 大介は、マーメイドによって得た力と、自己の正義感を武器に、エリス達の世界へと、足を踏み入れるのだった・・・。


 間髪入れずに起きた、伊豆を舞台にした妖怪犯罪。

 そこで明らかとなったのは、妖怪や魔術師で構成された犯罪組織“ミスカトニック”の存在。ローマも大阪も、彼らによって仕組まれた犯罪だったのだ。

 カオス・プリンセスたちはその行方を追うのだが・・・。




 ・主要人物



 エリス・コルネッタ


 イタリア ローマ在住。

 吸血鬼の父、獣人の母の間に生まれたハーフ。

 バチカン警察特別セクションに所属。

 DNAの性質上、お互いの自己主張が激しいため、昼間は優しく、人懐っこい獣人として、夜は冷淡に仕事をこなす吸血鬼として生きる。

 伝説上以外の全生物の血の味を知る“ソムリエ”でもある。

 殺された両親への復讐を望む一方、妖怪と人間の共存の道を探る。

 また夜間、血の効力が切れると、吸血衝動が押し寄せる他、DNAの変化の際には、激しい動悸が伴う。 

 武器は、自在に変化できる爪と、獣人に伝わる、葉を用いた武装魔術。

 白いシャツに、紺のフレアスカートを、基本的な戦闘服とする。

 同僚は、バチカン警察の、ヤン・フォルモント捜査官。



 姉ケ崎あやめ


 大阪府藤井寺市在住。

 父は鞍馬の烏天狗、母は越後の雪女という、妖怪の名家の間に生まれたハーフ。

 養子先の姉ケ崎神社の巫女であり、奈良北部にある都古大学に通う大学生であり、特殊犯罪対策係の特別警部補でもあるという、異色の存在。

 昼は活発な女の子だが、夜は大人しく、母性の強い、雪女の特性が、そこに現れる。

 日本の妖怪文化を守り、数年前に起きた大震災によって発生した、妖怪難民の問題を解決する糸口を探る。

 大介とは、小さい頃からの幼なじみ。

 愛車は米国大統領専用車以上の頑丈さを誇る、白のニッサン フェアレディZ Z33で、高度な運転テクニックを持つ。

 思考した武器を、水、ないしは空気中の水分を氷結、具現化させる能力、“氷花ひょうか”を使う。

 白衣が左前―死装束の、スカート調巫女服を基本的な戦闘服とする。それ故か、他の妖怪からは“デス・クロス”と呼ばれるが、彼女は嫌っている。



 リオ・フォガート


 アメリカ ワシントンD.C近郊在住。

 リザードマンの父と、氷の妖精 ウェンディコの母の間に生まれたハーフ。

 FBIの特殊セクション所属。

 4人のカオス・プリンセスの中で最年長。

 DNAの関係が良好なのか、昼夜関係共に、クールに行動する姉御肌だが、敵の出現や強行突入の際は、とても好戦的になる。

 射撃が得意で、完璧な軌道を割り出す能力 “インペリアル・システム”を内包した金色の右目を持つ、オッドアイが、彼女の武器。

 基本的な戦闘服は無いが、アッシュブロンドの髪形が、彼女のトレードマーク。

 相棒は、ハリー・クラフト捜査官。



 亜門大介あもんだいすけ


 大阪府大阪市阿倍野区在住。

 都古大学に通う大学生。人間。

 父は大阪府警警部で、特殊犯罪対策係のトップ。母は、最近復帰した府警科捜研研究員。

 旅行先のローマで、エリスと出会い、彼女らの世界へと身を投じる。

 かつて遭遇した海難事故でマーメイドと接触し、その血を貰った存在。

 妖怪と同等の、あるいはそれ以上の力を手に入れた反面、血の味の変化と、妖怪が“視える”副作用が起きた。

 正義感が人一倍強く、どれだけ強大な敵にも1人で立ち向かい、屈しない。

 数々の事件を経験し、エリスやあやめとの共闘を胸に誓った。

 武器は、強力な破魔の力を持った拳銃 CZ75-1改 伐折羅ばさら

 威力が大きすぎ、人間にも妖怪にも扱えない代物であったが、人魚の血の効力から、大介だけ自在に操れる。

 大学では心理学を専攻、文化研究サークルに所属している。

 あやめとは、中学まで同級生だったが、父親の異動で一旦は離れ離れになる。しかし大学で偶然再会。

 過去のトラウマから、「現実を見ろ」という言葉、他人の価値観や意見を押し付けられる事が、とても嫌いである。




 ・用語


 イリジネア


 漢字表記は幻想世界。

 妖怪や魔術師が形成する社会構造体。

 かつては人間社会と共存していたが、19世紀の産業革命、20世紀からの人類の飛躍的な発展の過程で、ほぼ崩壊。

 そこの住人は、人間への変化、新天地への移動と、様々な方法で、生き残りを図っている。

 また、妖怪は基本的に“視える”存在であり、人間社会では妖術を使って、迷彩化を図っている。

 大介が持つ“視える”能力とは、この妖術を使っている妖怪でさえも視えてしまう事を指す。


 クロス・トレイト


 妖怪間の異種間配合。

 西暦1990年代から、生き残りのために、各地で起きた。

 イリジネアでは、偏った種の絶滅が危険視されていたため、タブーとなっていた。

 現実は、エリスの様に、互いが激しい自己主張をするケースがほとんど。

 各方面で様々な意見が起こり、賛成派と反対派の対立が発生。段々とエスカレートしていった結果、西暦1998年、反対派が虐殺事件を起こす。

 これによって生まれた子供は4人だけとなった。



 カオス・プリンセス


 別名、混沌の乙姫。

 1998年の事件において生き残った4人の少女を指す。

 行政や宗教といった、人間社会の組織・機関に保護されていた。

 人間と同じ容姿をしていても人間では非ず、妖の血が流れていても、妖とは認められない存在。

 現時点で判明しているのは、上記の3名のみ。



 ラッシュ


 ラテン語及び英語表記 Lash。

 正式名称、広域指定異端者。

 テロ、犯罪、意図的な自然災害を起こした妖怪・魔術師に対し、バチカンとICPO内の特殊セクション―ISPが制定し、各国警察の、対妖怪犯罪部署に通達される。言わば指名手配の様なもの。

 1998年以降、虐殺事件に加担した者も、そのまま破壊行為に走り、人間社会に危害を加え始めたため、このような制度を設けた。

 また魔導書のような道具にも制定されており、表記はLash-B。



 人魚


 世界中の海に分布する妖怪。

 その肉は不老不死を人間にもたらし、透き通った歌声で船を難破させると言われる。

 その中でも人魚の血は、人間に対して使われると、驚異的な治癒力を与える一方、感覚麻痺など、何らかの副作用を引き起こすと言われているが、日本の八百比丘尼のケース以降、世界中で実例が報告されていないため、その詳細は不明。

 現在、その生存が確認される人魚のほとんどがマーマン、つまり男性で、女性はほとんど確認されない。

 人目を避けて暮らしているためと思われる。

 女性の人魚―マーメイドの血と肉は、妖達にとって、果てしないパワーを与え、完全にそれを自らの中に溶け込めれば、地球上の全ての生命の頂点に立つことも不可能ではない。

 Lashに指定されるような、悪い妖や魔術師は、こぞってマーメイドを狙っている。



 トクハン


 正式名 警察庁所属捜査一課 特殊犯罪対策係。

 日本政府が裏で、超法規的に妖怪の存在を認めた上で設立。

 亜門隼警部を事実上のトップとし、日本国内で発生する妖怪関連事案を捜査するセクション。

 捜査の際は、姉ケ崎あやめ、あるいは彼女の先輩で元ヤマネコ妖怪の、宮地メイコ警部補が指揮する。

 数名の捜査官と、特殊ヘリコプターを始めとした装備を有する。本部は京都府木津川市にある「私のしごと館」廃墟を改装して使用。

 一般警察と差別化するため、赤みのかかった警察手帳を携帯する。



 ISP


 International Special Police―国際特別警察。

 ラッシュによる国際的な犯罪に対処するために、ICPO内に組織され、バチカンと横の関係で繋がっている。

 ICPOと同じ、フランスに総本部を置き、逮捕されたラッシュを裁く国際妖怪法廷を有するが、それ以外の組織構成、捜査内容などは、各国警察上層部のみが知る、トップシークレットの事案。

 そのため、Secret-国際秘密警察と呼ぶ人も少なくない。

 前作では、幹部には強力な魔術師がいると判明。



 妖怪難民


 数年前の3月17日と18日、2日間でM8以上の地震が2度発生した北関東・東北大震災と、それによる関連災害によって住む場所と、仲間を失った妖怪。

 元々、日本の妖怪は、近代化されていない東北・山陰地方に多く住んでいた。

 彼らは、全国各地に散らばり、海外に移住する者もいた。

 しかし人間のように、どこからか助けの手が伸びるわけでもなく、彼らは“難民”となり、そこから、日本妖怪による犯罪、日本国内での妖怪犯罪が急増し始めたのだった。



 ミスカトニック


 正式名カレッジ・オブ・ミスカトニック―ミスカトニック大学。妖怪や魔術師によって構成された犯罪組織。その具体的な組織像、目的は不明。組織のトップは“学長”と呼ばれており、その人物に従って組織内の下級地位“教授”が、世界中に散らばる実働部隊“調査団”を指示して行動する。

 現在名前まで判明しているメンバーは、オコナー教授と渡部琉輔図書館長。前者は既に死亡している。




 都古みやこ大学


 大介とあやめが通う私立大学。

 奈良県奈良市北部―京都府との県境近くにある丘陵地斜面に建つ。

 そのため、階数があべこべで、ややこしい。

 最寄駅は、近鉄京都線高の原駅。

 3学部7学科を持つ、考古学、歴史学の方面では、そこそこ名の知れた学校。

 2人は、ここの心理学科に所属している。

 また、大学としては珍しく、車通学を容認しているが、2年生以下は車通学を禁止するという、暗黙のルールが存在していた。

 建物の外観はタイル張りで、教養部棟、教室棟、部活棟などを有する。


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